かな書道 12月30日

懐かしい時を求めて

友達から額に入った書をいただいた。何が書かれているのかさっぱりわからないが、綺麗なので眺めていたら、少し読めるような気がしてきた。

最初の「紫」はわかりやすく、そうか「紫陽花」かとなり、「紫陽花や しろ」まで読めるようになった。そこまでくればネットで検索。すると「紫陽花や しろよりいでし 浅みどり」らしきことがわかる。

明治から昭和に生きた俳人、渡辺水巴の句のようだ。落款の印が「西田」に見えるが確かではない。書が上手な人が書いて額に入れ、身近な人に贈ったのだろう。

書いた後にだと思うが、銀粉が撒かれている。光をキラキラと反射する。洒落ている。

そして思い出したのが、昔、京都東山あたりで買った小箱に入っていた書。

「祈願」と書いてあるのだろうか。「ありがとう」とあり、何度も「ふとん」と書かれているように見える。

先日、浮世絵を入手した時は、浮世絵の裏に書を発見した。何が書かれているかさっぱりわからなかったが、こういう文字が読めるようになったらいいだろうなと思うようになった。

ちょうど別の友達からいただいた硯石があり、筆を使えるようになりたいと、イタチの筆と墨を買い、図書館で入門書を借りたところだった。

この本には複数の字を続けて書く時のしきたりも載っていて、これを学べば表紙に書かれているとおり、つづけ字・変体がなも読めるようになり、昔の人が書いた書を理解することができる。一石二鳥ではないかと小躍りした。

そんな時間が君にあるのかね?と声がする。

社会人になって間もない頃、友達3人で那智の火祭りを観に行った時、記念に書道具を買い、引き出しに眠らせておいた。40年近い歳月を経て、やっと出番がやってきた。

10年ほど前、名刺交換の際に、余白に筆で一筆書いて渡す若い知人を見て、筆を日常的に使うことに憧れていた。ちょっとでもそこに近づけたらと思う。

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