復活を期して

懐かしい時を求めて

母が入院して1か月が過ぎようとしている。

腸閉塞、誤嚥性肺炎いずれも治療が終わり、退院許可が下りた。しかし安静にしていることにより身体の機能が衰え、歩行等が困難になってしまった。「廃用」と言うらしい。

「リハビリをしないと家に帰れないよ」と言ったら頑張り、歩行器を使っての訓練は、初日こそ数メートルで座り込んでしまったが、翌日には18m歩いて拍手をもらったという。その後数日で、計80mにまで距離が伸びた。

認知機能が衰え、子どもに還ってしまったと思っていたのが、ここ数日で入院前の状態に戻ってきた。質問すると「う~ん、そうだねぇ」と考える間をおいてから答えるところに人間味を感じた。

現在入院しているのは急性期病院のため、リハビリは脳疾患や骨折などで歩行等が困難になっている患者が優先される。しかしこのまま退院すれば、家族の負担が大きいため、もう少しリハビリを続けてもらうことにした。

家に帰るために頑張ってきたのに、転院してさらにリハビリすることを母にどう説明して納得してもらうか。頭を悩ませたが、文章にして説明したらすんなりと受け入れてもらえた。

水曜日に医師と話をし、金曜日に回復期病院への転院が決まった。翌水曜日が転院である。

その病院は、かつて娘や娘の夫が勤めていたところで、現在も別の娘の夫がリハビリで働いている。妻の知人が管理栄養士をしており、そういった縁をありがたく思う。

リハビリで入院するため、乳がんの治療は中断することになる。乳がんの治療といっても、現在はホルモン剤の服用だけであり、その薬は移転先の病院でも取り扱っているたため服薬が中断することはないと聞いて安心した。

悪化すれば転院前の病院を受診することになるが、91歳という年齢を考え、またこのところのレントゲンでガンの進行は見られなかったことから、今はリハビリを優先することにした。

あっけなく57歳で亡くなった父と、奇蹟的な回復をたどっている91歳の母を対比すると、不思議な気がしてならない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました