「主治医というものを持ったほうがよい」と居酒屋の女将から聞いた。お客さんから言われたのだそうだ。
その女将の母親は90を過ぎるまで病院にかかったことが無く、女将もついこの前まではそういう状況だった。
女将の母親は90を大きく回った頃、風邪をひき、主治医を持つために医療を受けた。
女将は先日病気をし、80代半ばで初めて医療を受けた。
体温
2人とも平熱は37度程だ(だった)という。昔の人は平熱が高く、平熱が高い方が免疫力があると聞いた。
私は36度5分くらい。子どもの頃から熱を出してばかりいたので、39度ちょっとくらいまでの熱であれば慣れたもので、2~3日安静にしていれば治るなと思い、その通りになる。熱が下がった後の体は、食器を煮沸したかのように、清められた感じがする。
母の主治医
よく考えたら私には主治医と呼べる人がいない。あ、眼科の定期健診を受けているから、目の主治医だけはいる。歯科も決まっているからその歯科医師が主治医になるのか。あまり実感がないな。
やはり一般的には、体全体を診てもらっている医師を主治医というのだろう。病院・診療所に用事がないのはよいことだけれど、最近は皮膚科にかかる際などにも、発熱していたりすると「主治医に診てもらってから受診してください」などと言われるらしい。とするとやはり内科医か。
90を越えた母は内科、外科、整形外科、眼科、皮膚科を定期的に受診している。家族全員が介助者の役割を担っている。薬の量がすごい。小食の人であれば薬だけで満腹になるのではないかという量だ。
昨日の通院介助は看護師の娘が担ってくれた。
内科のK医師は人間味あふれたとても優しい人で、こういう主治医を持つのは幸せなことだと思う。
付き添った娘から家族LINEに報告があった。
ひと通りの診察が終わり、医師が母(A)に「Aさん他に何か困ってることある?」と聞くと、母は「首の肉がなくなりニワトリみたいです。冬はスカーフを巻いて隠せるけど、夏は隠せないでしょう」と言ったそうだ。
すると医師は「う~ん、それは年齢とともに首の肉も痩せてっちゃうから、しょうがないかなぁ。Aさんがこれからファッションモデルやるとか、インスタ映えを狙って写真を撮るっていうんなら何とかしなきゃだけど、それは勘弁してぇ」と応えたそうだ。
さらに「Aさん、毎回受診のたびに訴えが変わる。訴えが多いのよぉ。もうハタチじゃないんだからねぇ~。でもその訴えの中に、たまに病気が隠れているから怖い。お孫さん、訴えの多いおばあちゃんだけどよろしくね」とも。
そういうことが言える診察、患者の日常会話に耳を傾ける医師の技量・度量の大きさに感動する。つい先日は、その日常会話的な訴えの中から乳房の触診となり、総合病院で検査することとなった。総合病院の医師から「乳がんがこの段階(ステージ0)で発見されることは極めてマレ」と言われたのは、K医師の診察があったからこそだ。
私の主治医
私はどうしよう。どうしようと言ったって、何も具合が悪くないのに診療所へ行くのも気が引ける。
「どこか具合が悪いですか」「主治医がいないのは具合が悪いと聞きましたので…」などと言ったら激怒するに違いない。
そういえば現在加入している健康保険組合から健康診断のお知らせがあった。診療所を選べるらしい。
母が世話になっている医師に診てもらうのが合理的だろうが、もう一人会いたい医師がいる。
総合病院に勤務していた頃、何回かお酒を飲みに行った外科のK医師である。
その後開業し、現在は妻、いとこ、叔父の主治医になっている。開業後も2回程お酒を飲みに行ったがコロナ前の話。妻が診察を受けると「旦那元気?」と聞き、周りの看護師には「旦那とは飲み仲間なんだよ」と言ってくれる。
妻に健康診断のことを尋ねてもらったら「いつでもふらっとおいで」というようなニュアンスだった。汗でべたついた体を診てもらうのは気が引けるので、もう少し涼しくなったら暖簾をくぐってみよう。…診療所に暖簾はなかったかな。
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