腸閉塞 1月5日

懐かしい時を求めて

夜中に電話が鳴り目が覚めた。妹からで、実家の母を救急車で病院に搬送中だという。

トイレで嘔吐して苦しみ、自ら救急への連絡を求めたという。

数時間後、妹から連絡があり「医師から手術をするかの判断を求められているが、私では判断できない」というので、総合病院に車を走らせた。

車を運転しながら頭の中を整理し、「手術する」ことに決めた。

到着早々、医師から説明があった。腸閉塞が疑われ、閉塞部に続く部分の組織が壊れている可能性があるとのことだった。丁寧な説明と質問への回答を聞き、若い担当医師に好感を持った。

乳がんの治療では手術を見送ったが、腸閉塞は放っておいたら悪化する可能性があり、それによる嘔吐は、誤嚥性肺炎を繰り返すおそれがあった。

問題は乳がんの手術同様、手術に耐えられる体力…心肺機能があるかどうかであった。

誤嚥性肺炎により血中の酸素濃度が下がっており、人工呼吸器を準備して手術することになった。

誰もいない病院のソファで数時間。目を閉じても一向に眠気はやってこない。何か本を持ってくればよかったとも思ったが、こんな時に読みたい本は思い浮かばない。

朝5時30分頃、全身麻酔で手術が始まった。

HCUの扉の前のソファで数時間。HCUって何だと思ったら、ハイ・ケア・ユニットで、ICUと一般病棟の間に位置する病室であることがわかった。

手術が終わって看護師に招き入れられる。

母は麻酔により意識がない。

医師から摘出した小腸を見せてもらう。炎症を起こし出血もあるようで、鮮やかな赤だった。一部に健康な組織があり、その肌色と比べると病巣であることは素人にもわかった。

手術後、救急搬送時よりも片方の肺の炎症が進み、血中酸素濃度は92。人工呼吸器を使って様子を見ることに。ここ2~3日が勝負とのことだった。

一般病棟に移るまでは面会ができないため、後はプロフェッショナルに任せるほかない。

それにしても新しくなったこの総合病院のスタッフは皆一生懸命で誠意が感じられ、素晴らしい。この病院では娘も働いていたし、建て替え前の病院では私も働いていたことがあるから、現場の大変さは承知している。それゆえ医療スタッフには、大きな感謝の念を抱いている。

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