調理と読書 5月15日

DIY・手作り

圧力鍋の威力

いただいて何年も放置されている黒豆を何とかしようと、用途を調べる。やはり煮豆か。「弱火で3~4時間煮る」とある。ガス代がたまらないじゃないか。買った方が安い。そうだ、こういう時にこそ先日買った圧力鍋を使うんじゃなかったか。

付録のレシピ集に「黒豆」はあった!超高圧で煮ると、時間は沸騰するまでの時間+1分を2回繰り返すのみ。お~。

蒸らしの時間などがあるけれど、あっという間に出来上がった感じ。でも大丈夫だろうか。

う~ん…ちょっと硬さが残っているし見た目ももっとふっくらするはずだ。豆が古すぎたのか。

杉﨑恒夫「パン屋のパンセ」

調理する間、少しだけ時間に余裕が出てきた。火の加減を見ながら椅子に座って本を読む。

杉﨑恒夫のことは東京新聞で知った。4月25日「一首ものがたり」で紹介されている。「60代から80代に天才老人と評された歌人」「没後14年を経ても読み継がれる杉﨑恒夫」とある。

<さみしくて見にきたひとの気持ちなど海はしつこく尋ねはしない>…つらい時に海岸で石を拾い海にいたことを思い出した。私の海も杉崎の海と同じだった。

<左右合わせてみたてるてのひらの僅かにちがうそんな違和感>…歌の内容そのものよりも、左右の手のひらを合わせてみて、微妙に違うことに初めて気がついた。

<一晩じゅう半分の月が半分の見えない月を曳きずっている>…そういう捉え方があるのか…。

<日本一美人のりんごに出会いたい うつくしいものはじっとしている>…これまでいつも動き回っていた自分の心根が、醜いものを覆い隠すための多弁だったような気がしてならない。今、ありのままの自分でいられる人の間に身を置けていることに、「だんだんと美しくなっていく人生」の可能性を感じている。「ときをためる暮らし」つばた英子・しゅういち夫妻の生き方(「だんだんと美しくなっていく人生」)が、常に頭の奥底にある。

肉じゃがとギター

先に買ったじゃがいもが発芽している。これはいけないと、肉じゃがが食べたくなったので作ってみる。しらたきはないし、肉は「バラ」ではない。でも料理は自由だ。野菜別レシピ集(本)を参考にした。初めてだけれどちょっと甘めで美味しく仕上がった。

食卓に料理を並べ、リトルマーチンを弾きながら妻の帰りを待つ。日が沈み食卓が影に覆われても、肉じゃがの香りは私を包んでいる。闇が濃くなってきた。楽譜なしで弾けるのは3曲くらししかない。3曲を何度も繰り返す。

妻の車が庭に入ってくる音がして、そっとギターを片付けた。

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