革の長財布

レザークラフト

妻が何かの景品でもらった長財布が劣化し、製作を頼まれた。

ものづくりには、創造する高揚と不安が入り混じる。

財布はレザークラフトの基本で、技術の優劣が明らかにになってしまう気がして緊張した。

どんな財布がいいか考えるところから始まる。布団に入り眠りに落ちるまでの時間、明け方トイレに立ち再び眠りに落ちるまでの時間は、ものづくりにとって貴重である。

革は綺麗だと思うものを買っておき、作るものが決まった時に在庫の中から選ぶようにしているが、このところ、発注直後に、その革に相応しい作品が思い浮かぶことが多い。

今回それは馬革だった。

革に合う糸、裏地に使う革、布を選ぶのは楽しい。

革を切り、角を丸く革鋏で落とす。

4枚の表革と1枚の裏側、計5枚を重ねてみると5㎜もある。

厚いハンバーガーの具が外に飛び出しているようで呆然とした。

こういう時は、革をすいて薄くするに違いないと考えYouTubeで調べた。

縫い合わせる部分を刃物で薄くする。

それでも4㎜くらいにしかならなかった。もともとが薄い革なので、これ以上薄くするのは怖くてできない。

裏地をゴム糊で貼った。

ファスナーを縫い付けるのは初めてのことなので緊張したが、一番手の込んだところができてホッとする。

そして縫い合わせたが、コバがボロボロで見苦しい。

ヤスリで研いで塗料を塗ったものの、もっと綺麗に仕上げたいものだ。しかし今後の課題として、今回は良しとする。

ワンポイント絵を入れる。

内側にも絵を入れる。

絵にコーティング剤を塗って完成。

こんな使い方をする財布。

外側は綺麗に縫えたが、内側の厚い部分の糸が少し乱れてしまった。

菱目打ちで穴を開ける際、外側から金具を打ち込んだが、革が重なった厚い部分の穴がずれてしまったのだろう。

コバの仕上げと共に、次への課題となった。

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