鮎のドブ釣り入門 5月24日

懐かしい時を求めて

今日は釣りの先生の講義を受ける日。手帳に書き込む予定が少なくなると手帳を見る習慣が無くなるが、なに少しくらいの予定なら忘れることはないだろうと思っていると、数日経ってから忘れていたことに気がついたりする。

なので今日の約束も忘れてしまうのではないかと心配だった。約束は明後日だ、明日だと毎日念じるようにつぶやいてきたが、朝起きた時にはすっかり忘れていて、その後思い出して安堵した。

約束して人と会うのは随分と久しぶりなので、それまでの時間をどう過ごすかソワソワしたが、ピアノを弾いて気持ちを落ち着けた。川上ミネ「コルドバの午後」を練習する。綺麗な曲。

先生の家をナビで検索して出発。先生の家の近くの喫茶店を友達に尋ねて調べておいたが、先生の案内で別の喫茶店に入った。

先生が「何か食べましょう」というので、フルーツロールケーキとホットコーヒーを注文。おいしい。ご馳走になってしまった。

食器を片付け本題に入る。

毛鉤、しかけを見せていただく。「現場で説明している時間はないので」と、しかけのセット方法を見て覚えようとする。

先生が89歳と聞いて驚いた。「いつ死ぬかわからない」と言われ「私だっていつ死ぬかわかりません」と答えたが、先生が釣りの最中に亡くなり慌てふためく自分の姿を想像した。

教本を3冊借りた。「鮎のドブ釣り」大陸書房,1987を開くと、赤線、黒線、書き込み、付箋が凄い。読み始めて面白かったのは、執筆者が鮎のことを「彼女」や「佳人」と言っていることだ。そうか女性に会いにいくのかと思ったら、少し気持ちが弾んだ。

一方で、屋外で長時間過ごすリスクが脳裏をよぎった。紫外線による飛蚊症の悪化は避けたい。川釣りなら大丈夫だろうと思っていたら、「日陰に立つことはあまりない。日陰にはコケが育ちにくい」と言われ、しまったと思った。

道具は今年は借りられそうだが、続けるとなれば揃えなければならない。竿は10万円以上すると聞きうろたえた。仕事をしている時だったら「10万円か、ボーナスで支払えばいいや」と安易に考えたのが、今は「それだけあればどれだけの野菜が買えるか」と考えてしまう。今年数回だけの「ドブ釣り」になるかもしれない。

「お金をかけるのが道楽ですから」と、その通りだが、私には他にも趣味があり、すっかり怖気づいてしまった。しかし何事も経験と、今年はやってみることにした。

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