食べ終わった鮑貝を使って漆の時計を作ります。
貝を削ると粉塵が空気に乗り家中に運ばれるので、部屋のドアを閉め、囲いをして削ります。ゴーグルとマスクもします。わずかな作業だからとマスクをせず貝を削った際に、咳き込んで肺の奥が苦しくなったことがあり、粉塵はかなり体に悪いような気がします。
100円均一で買った針金仕立ての四角の網を結束バンドでつなげ、アクリル板で囲い、さらに使えなくなった傘の布を掛けて作業をします。
プロクソンの電動ルーターを万力に固定し、おおよその形で貝を削り出します。
割れるのが怖いので、電動工具で削り出すのはこの程度。
ここからはヤスリをつかって削ります。
耳付きのオニグルミの板が面白いと思ったので使ってみます。
時刻表示の位置を記します。
裏側から時計のムーブメントを取り付けるので、ノミで穴を掘ります。
蝶の配置を決め、貝を埋め込めるよう彫刻刀で削ります。この時は子どもが使っていた彫刻刀を使いましたが、のちに1本1,000円くらいする彫刻刀を工具専門店で買って彫ったところ、もっと早く買えばよかったと思うくらい切れ味が違いました。(油断して指先を切りましたが、スパッと綺麗に切れたため、すぐにくっついて治りは早かったです)
漆の工程に入ります。生漆などで下地を固めたところです。
赤系の呂色漆を塗りました。
呂色漆を接着剤にして、貝をはめ込んでいきます。
全ての貝をはめ込みました。
貝と木の隙間があるので、何度か漆を重ねて隙間を埋めます。
漆塗りはこのあたりでいいかなと思ったところで、貝の表面に付着した漆を耐水ペーパーで削っていきます。
割りばしの先に耐水ペーパーを取り付けたものを使っています。細かい作業をするときに重宝します。
全体を研磨剤を使って研ぎます。
細かいところは、綿棒や爪楊枝の先に研磨剤をつけて研ぎます。
ほぼ完成です。
時計のムーブメントを取り付けました。完成!
壁に掛けました。
螺鈿というと、貝が平らで木部の表面とも段差がないのが殆どですが、使っている鮑貝がそもそも曲がっているため、平らになりません。ま、考えようによっては、蝶の躍動感が出ていいのかなと思ったりもします。
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