高騰する物の値段 9月25日

カメラ

友達から「これからもっとインフレになるから、資産はお金に限定せず分散した方が良い」と言われたが、たいしてお金がないのに分散しようがないと思った。

インフレとは物の価値(値段)が上がり、相対的にお金の価値が下がることだと思っているが、今さら高騰している「金(gold)」に手を出せるはずもない。多くの人と一緒に沈んでいくのだろうとぼんやり考える。

ただ、物の値段が上がっていることについては、日々スーパーの買い物で強く感じていたが、身近な所有物について調べてみることにした。

まずはピアノ。1994年頃に製造されたヤマハの木目調のアップライトピアノ。30歳の頃ピアノを習い始め、その勢いで友だちの楽器店で買った物だ。自動演奏器は現在故障中。ブーニンの演奏で「主よ人の望みの喜びよ」を何度も再現した。私の演奏もフロッピーディスクに収録されている。

程度の良いもので99万円なんてのをネットで見つけた。30年経っても値段が下がっていないどころか、少し上がっているのではないだろうか。調律師から「今はこういうデザインのピアノは少ないから大事にしてほしい」と言われている。もちろんこれからも大事にする。

ギターの値段も上がっていた。マーチンOM-42。何となく楽器店に立ち寄った時に、値札を見て驚いた。20万円も上がっている。ネットで調べても同じだった。

どうしてこんなことになったのか店長に尋ねると「『戦争』もあるかもしれないが、アメリカの人件費が高騰している」とのことだった。円安も影響しているかもしれない。とてもじゃないが今では買えない値段だ。OM-42は先輩が手放した際、買った時よりも高く買い取ってもらえたと驚いていた。

マーチンD-28も少し上がっていた。000-18はそれほどでもないようだ。

カメラのレンズも上がっていてびっくり。M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは3~6万円程の値上がり。

ゼンザブロニカSQは馴染みのカメラ屋で中古品を3万円で買い(レンズ2本、テレコンバータ、専用アルミケース付)、その時点で「お得」と聞いたが、もう1年以上も前に店主から「かなり価格が上がっているようだから大事にして」と言われている。

とはいえ元々お金には縁遠く、こういった物を売ってお金に換える気持ちは全くない。価格が高騰してちょっと嬉しいと思うのは、昔買った物が今でもその価値が認められていることだ。

もちろん購入の際は、無理をしてでも良いものを選んできた。ギターの支払いは長く、この12月をもってやっと終わる。それは仕事をしていた時の金銭感覚で、もうこんなことはできないと思いながらも、どうせお金を出すなら気に入ったもの選び、生涯大切にするのがいいと思っている。

Leica M3はドイツで販売された年に、最初の所有者がドイツで買ってきたもので、次の所有者になったカメラ屋のおじさんの長年の宝物だった。おじさんは亡くなってしまったが、家族から「大切にして」と言われており、その気持ちを思い出し、先日モノクロフィルムを買ってきた。もう自分で現像することはないだろうけれど、おじさんが覗いたファインダーを、数十年経って私が覗いていると思うと、ちょっとちがった見え方がするような気がして、面白いと思うのである。

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