食べる女子

家族

妻が隣町のお茶屋さんに付き合ってほしいというので土曜日の昼食後に出かけた。

お茶を沢山買うと「上客」となり、招待されるらしい。

「わざわざ美味しい緑茶を飲みに出かけるのも一興」とついて行ったら、和菓子も出された。

「極上抹茶と京きなこを楽しむ ~特製あんこ添え~ もちもち白玉」であった。

お昼を軽く済ませばよかったと思いながらも、あっという間に完食。

古いお茶屋の涼しげな座敷から中庭を眺める。中庭がある家は風情があっていい。縁側のある家は少なくなった。周りを見回すとほとんどが女子。世の中の女子が当たり前のように美味しいものを食べていることに感心する。

テーブルの上のチラシに「おいもどらやき」があり「上客に先行販売」と書いてある。

10個2,600円。母と母の介護をしている妹に食べてもらおう。

一つだけ食べてみることにした。

切って断面を見ると、チラシほどに「おいも」は入っていない。それでも十分に美味しい。

父の仏壇に供えて帰宅。

翌日の日曜日。

今日は二女がホテルのランチに連れて行ってくれるということだった。スラックスにジャケット、革靴を履いてお気に入りの革のトートバッグを肩にかける。田舎紳士誕生。

7年ほど前に職場の女性がここで結婚式を挙げたことを思い出した。

広大な庭から駿河湾を見渡す。

予定より1時間も早く到着したので、家族の記念写真をポラロイドカメラで撮ったりした。

やっと時間になった。このホテルのランチは人気があり、3週間先まで予約いっぱいだそうである。

メイン料理、肉か魚かを選ぶ。しかし食べることよりも飲むことを楽しみにしていた。

どんなワインがあるのか。まずは「本日のワイン・赤」を注文。1200円ちょっと。

日頃呑んでいる550円のチリワインよりずっと美味しい。

メイン料理以外はバイキング形式で、客たちはいっせいに立ち上がり、思い思いに料理をプレートに乗せている。座っているのは私1人のようだ。こういう時、紳士は慌てないのだと、駿河湾を見下ろしながらゆっくりワインを口に含む。

客たちが再び席につくまでに、かなりの時間が経過した。妻や娘たちも随分遅いじゃないかと思っていたら、妻が私の分をプレートに乗せて届けてくれた。和食でないのがちょっと残念。

皆よく食べる。娘のカレーが気になる。

メイン料理・肉はハンバーグだった。柔らかく口の中でほどける感じがいい。

メイン料理・魚はどうであったか帰りに尋ねると「知っている味だねぇ」とのこと。家庭料理に近いのか。女子は厳しい。

赤ワインをもう一杯。ソムリエオススメの赤。1600円ちょっと。あ~、これは美味しい。

妻にも勧める。「ビールなんかどこでも同じ味だから飲むんじゃないよ」と牽制。妻はビールが好きなのだ。

「こういう時にお金をケチってはいけない。このロケーションにお金を払おうではないか」と言ったら、会計責任者の娘の顔に緊張が走った。

妻、本日のワイン・白を注文。

しかしほどなく、お腹がいっぱいで飲めないから飲んでくれと言う。妻が困った時助けるのは夫の役目。しめしめ。

妻が席を立ちトイレへ。帰りが遅いので「体調がすぐれないのではないか」と娘と心配していたら、さらにケーキを盛って席に着いた。

そうか、これが女子の「別腹」か。

ほぼ同時に娘からのサプライズ・プレゼントがテーブルに並んだ。

そうか、今日は妻の誕生祝だったのか。2週間遅れだったため思いつかなかった。

ホテルの人が記念写真を撮ってくれた。写真撮ってどうするのだろうか、まぁ何でもいいやと思っていたら、カードになって届けられた。

このサービスには感動した。娘に感謝。いい思い出ができた。

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