命の選択 6月2日

懐かしい時を求めて

診察結果

母が診療所で宣告された「乳がんステージ2」について、総合病院で診察と検査を受けた。

「診療所で撮影された写真を見ると、悪いもの(がん)が疑われるが、その診断は細胞を検査してみないとはっきりしない」とのことで、今日は胸に針を入れて細胞を採取した。

母の「それ(検査)、痛いんじゃないでしょうか?」との医師への質問が、今の状況からかけ離れている気がして、「針刺すんだからチクリとはするよ」と笑ってしまった。

数日後にさらに精密検査をする。「転移の有無」と「手術に耐えられる心肺機能の有無」を確認して治療方針が決定する。技術的には難しくない手術のようだが、90歳の母が全身麻酔で4時間の手術に耐えられるだろうか。

転移していれば手術することもないだろう。転移なく手術を選択できる場合の判断が難しい。本人が判断すれば一番いいのだが、おそらく私に委ねることになる。

手術が成功したとしても、それによりその後の生活の質が著しく低下する可能性は十分にあり得る。「手術が成功した場合に生きられる時間と生活の質」と「手術しなかった場合のそれ」を比較できればいいが、神様にしかわからないことだ。主治医でさえ「私自身のことだっていつどうなるかわからない。あと1か月の命とわかれば仕事辞めますよ」と言うのに温かみを感じた。それとなく霊感のあるいとこに尋ねても、はっきりしたことはわからないか言わないかで、ただ「体にメスは入れたくないね」との言葉に、私と同じ考えだったのでほっとした。

総合的な検査結果を待たないとはっきりしないが、考えと気持ちを整理しておかなければならない。

私にできること

母と同居している妹に母を預けて家に帰ってきた。何かできることはないだろうかと考え、料理を思いついた。

鮭の昆布巻

昆布が冷蔵庫にたくさんある。賞味期限が切れている。これをなんとかしなければならない。クックパッドに簡単そうなのがあったので参考にした。

要は生の鮭を長さ20㎝くらいの昆布でグルグル巻いて干瓢で縛り、鍋で煮るだけだ。

だし汁(何でもよい)750ccと酒300ccを鍋に入れ、沸騰したら巻いた昆布を入れる。アクを取ったらキッチンペーパーで落としブタをして弱火で5分煮る。砂糖大さじ4、みりん大さじ5を加え5分煮る。醤油大さじ5を加えて5分煮て出来上がり。

キッチンペーパーを落としブタにするというのが新鮮だった。昆布は生のものを使ったせいか柔らかく、鮭の塩味も残り、あっという間に家族の胃袋に入ってしまった。明日母に届けよう。

イカめし

これはいただいた餅米がまだまだたくさんあるので、なんとかしなければいけないと思い作ったもの。

1時間くらい水に浸しておいた餅米をイカに6分目くらい入れて爪楊枝で口を閉じる。水(ひたひた)と醤油(150ml)と砂糖(110g)を合わせ、圧力鍋で10分煮る(140kPa)。簡単だけど本格的な味になった。これも母に食べてもらおう。

イカは普通「スルメイカ」を使うようだが、大手スーパーにもなく、あったのは「マツイカ」だった。それは何だ?とその場で調べたところ、スルメイカの安い代替品で、刺身には硬すぎるが火を通せば美味しいとあった。2杯で290円だった。これで十分だと思ったが、いつか味を比較してみたい。

チャーシューモドキ

チャーシューをつくるつもりたっだけれど、肉がバラバラになってしまった。というか、そもそも一塊の鶏のもも肉が見つからなかったのだ。タコ糸で縦横に縛って火を通しても、くっついて塊になることはなかった。当たり前だろうけれど。

見た目は美しくないけれど、味は良かった。あっという間になくなった。これも母に。

サニーレタス、キュウリ、トマト、ヤングコーンのサラダ

サニーレタスは120円のものを10分の1使い、キュウリは1本の半分、トマトは農家からいただいたものを。ヤングコーンは100円のものを4分の1使った。

ホッピーを2杯、ワインを1杯飲んだら、あとは食器を洗いながら、明日の夕食について考える。

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