モンキーで林道を走る 6月13日

バイク

梅雨の晴れ間。外の空気を吸おうと「お散歩バイク」でトコトコ出かける。これまで通勤で左折していた道を真っすぐに進むとどこに辿り着くのか知りたくなり、坂道を登る。茶畑の向こうに大井川が見える。ツマグロヒョウモンを小さくしたような蛾が舞い、近づいては離れ、近づいては離れていく。翅を閉じるとオレンジ色が見えなくなる葉巻のような蛾だった。

山の中の舗装道路をさらに進む。

林道に入ると気温が下がる。見事な竹林。それにしても私はいったいどこを走っているだろうか。

建設現場の重機の近くにいた人に尋ねてみる。「この道はどこに通じているのでしょうか?」「どこに行きたいのですか?」「目的なくぶらぶらと走っていて迷いました」「この先の道を右に行くと谷稲葉へ、左に行くと東光寺へ」「東光寺方面に行ってみます。ありがとうございました」

友達の琢磨に似たいかつい顔をした人だったが、琢磨同様とても親切なひとだった。人は見かけによらない。東光寺方面にバイクを進める。

東光寺で休憩。母、妹、甥の健康を祈願する。谷川でカワセミがダイビングを繰り返している。メタリックな反射にしばらく見とれる。

お堂に無造作に置いてある絵に歴史を感じた。なんだろうか。

ゆっくり山を下る。何気ない水田の風景もちょっと珍しい時代になった。

そして隣の山に登る。白岩寺へ。子どもの頃以来だ。

バイクを終点で止めて、白岩寺公園まで階段を上がっていく。途中、トカゲがバッタを捕食しようとしているのを見つけた。その瞬間を捉えようと、ビデオ撮影を始める。さ、行け、今だ!と心で何度もけしかけたがトカゲは動かず、ピンとバッタは飛んで行ってしまった。

バイクで下る。ウオーキングしている人と目が合い挨拶をしたら、話しかけられた。「上まで行かれましたか?」「はい、どこに辿り着くのかと思いまして」 バイクとはいえ、それくらいのスピードしか出していないのだ。

そして今度は3つ目の山に登る。竹林を過ぎ茶畑を走っていて、今日は似たような風景に出会うなと思っていたら、同じ道を走っているのだった。

Uターンして目的の大日山に到着。夏にはここの花火の音が家まで届く。

ここでも家族の健康を祈願する。

鐘をついてみたかったが、注意書きがないのがかえって不安になり断念した。

帰りがけに鉄棒を見かけた。懐かしさに写真におさめる。どこだったか大きな遊具の事故があって以来、あちこちで遊具が撤去されて久しい。ペンキが塗られきちんとメンテンスしてある鉄棒に、地域の力のようなものを感じた。

夕飯の支度の時間が近づいてきたので下山する。小学生の下校時間で、女の子が水田をのぞき込んでいた。オタマジャクシでも見ていたのだろうか。写真に収めたいほどのよい光景だったが、最近はそういくことをすると警察などに通報され「不審者情報」として取り扱われてしまう。うっかり声をかけることもできない。

帰りがけに出向していた時の課長の家に寄ってみたら、庭仕事を終え休憩しているところだった。2016年に腎臓癌の手術をし、その治療中にすい臓癌が見つかり手術してすっかり元気な様子だった。「神様に生かされていますね」と笑ってお別れした。

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