漆を始めたころに作った万年筆箱の技法でカリンバを作ってみようと思った。
万年筆箱には蝶が舞う模様を表したつもりだが、今回はもっと輪郭を明確にして模様を描きたいと思う。
万年筆箱の技法は「津軽塗」の中の「唐塗」にあたるようだが(「漆の技法 応用篇」)、教科書通りにはいかなかった。それでも、今あらためて万年筆箱を見てみると、漆の良さはある程度発揮されていて、最初だからこそ根気が続いたのだろうなと思ったりもした。
工程は、①漆と卵白を混ぜたもので模様を描く ②色漆を塗る ③ヤスリで研いで平らにし、窪んでいるところにまた色漆を入れる ④研磨剤で研ぎ拭き漆をして艶を出す、となる。
今回は最初にカリンバのキーを木材に取り付けて音を確認しておいた。
杉のブロック材に取り付けてみたら、音がよく響くので意外だった。全てのキーで音が伸びる。机の上に置けば振動は杉から机に伝わり大きな音になる。床の上に置いてみると、その音もなかなかいい。
せっかくよい音がするので、形状はあまり変えずに作ろうと、四隅の角を丸めるくらいにした。
生漆を塗って拭きとり、乾燥後に400番のサンドペーパーで研ぎ、再度生漆を塗って拭きとった。
木目の美しさが浮かび上がってきた。
その後、拭き漆を3回行うと、艶が出てくる。
赤目の呂色漆を塗ると飴色になる。
自分が撮影したヒドリガモの輪郭を、白いカーボン紙を使って描く。
うっすらとだけれど、これで十分。
呂色漆に卵白を少し混ぜる。
もともと呂色漆は乾くと膨らむけれど、卵白を混ぜることにより膨らみが増す。
厚みがある漆を急速に乾燥させると、表面と中で乾く速度が異なるため「チヂミ」というシワがよってしまう。ゆっくり乾くよう湿度を低くしたつもりだったが、縮んでしまった。
チヂミのシワシワ、デコボコは全て模様としてずっと残ってしまうが、まぁそれも面白いかなと、修正しない。
輪郭の部分にしっかり段差をつけておきたくて、再度卵白を混ぜた漆を塗る。
まずは側面。漆が重力で垂れるので、側面を上にして乾燥させる。
次に上面の模様の輪郭に沿って漆を塗り、段差を明確にする。
数日乾燥させてカリカリになったら、色漆を塗って研ぎ、塗っては研いでいく。
基礎がこんなに厚いと、研ぐのはかなり大変だろうなと、ちょっと心配になる。
どうなりますことか…
コメント
音色…….気になります…….きいてみたいなぁ…….
いずれ音をブログにアップしたいと思っています
今は良い音を求めて試行錯誤しているとこです
ありがとうございます
ありがとうございます!たのしみにしております。