定宿「割烹民宿 小はじ」 8月15日

料理

下田市須崎に割烹民宿「小はじ」はある。

初めて宿泊したのは2005年の8月末。家族旅行の際に、下田でタクシーの運転手をしている叔父に紹介してもらった。

評判通りの料理に魅了され、温泉ということもあって、翌2006年8月末にも家族旅行をした。2泊3日、南国にいるかのような時間の流れに日常を忘れることができた。この時は「るるぶ」の取材が入っていて、食事時に写真を撮られたが、娘たちが恥ずかしがって顔をそむけたせいか、掲載されなかった。

そしてその年の10月には、職場の友と泊まった。伊豆旅行というよりも、「小はじ」を楽しむことが目的だった。

その後は毎年のように職場の友と泊まりに行くようになった。もちろん家族旅行でも。

沼津魚河岸 丸天

伊豆に向かう道すがら、まず、朝食と昼食の間くらいの時間に沼津の「丸天」で腹ごしらえをすることにしている。恒例の旅が始まったことを告げるセレモニーのようだ。

店内はいつも賑やかだ。「今年は何を食べようか」などとぶつぶつ言いながら注文する。新鮮な魚介類がボリューム満点である。

七滝茶屋(ななだるぢゃや)

河津七滝ループ橋の北にある「七滝茶屋」も定番。僕は毎回フローズンストロベリーを食べる。

ついでに七滝も観ておく。

河津バガデル公園

ここも定番と言っていい。何度入園しただろうか。

レストランで食事をし、庭園をゆっくり歩いて色とりどりのバラを見てから買い物をする。ここで売っているパステルカラーの傘が好きで毎年買っていたが、ある時無くなってしまった。おしゃれな雑貨が色々あり、見ているだけでも楽しい。

皆てんでに薔薇の写真を撮って過ごす。

寄り道

その他には、河津の踊り子温泉会館で温泉に浸かったり、稲取温泉に浸かったり、下田のペリーロードやハリスの小径、なまこかべ通りを歩いたりと…メンバーが言い出せば「はいそうしましょう」と即決になる。「吉田松陰が隠れていた家屋を見たい」といった友は「お~、歴史通だねぇ~」と称賛を浴びた。

修善寺の竹林、昭和の森会館、中伊豆ワイナリー、バリ島市場…色々行ったなぁ。伊豆には色々な美術館があるけれど、殆ど行ったのではないだろうか。

小はじ

須崎港

夕暮れまでには須崎港の「小はじ」に着くようにしている。部屋での2次会用にワインとつまみを買うのが慣わしだ。

食事前に温泉に浸かり浴衣に着替える。

夕食

さぁ、一番の楽しみ。夕食だ。

板さんは京都で修業をした人。地元食材を使った料理の説明が、一品ずつ丁寧にされる。

酒代を別に、1万円くらいの予算にすると、伊勢海老の刺身やサザエなどがプラスされる。

伊勢海老は新鮮で、まだ触覚が動いている。ちょっと気の毒で、動きが止まるのを待つ。

ご飯を食べたらもう一度温泉に浸かり、部屋で2次会となる。

趣味の話、仕事の話…色々な話をした。

毎年のように旅行に行っていたのが途切れて数年が経ち、2019年に2人で再開したのが最後になった。変わっていく人の関係を不思議に思ったり、淋しく思ったりする。

須崎港の朝

明け方、窓の外の港を、船が明かりを灯して出ていくのを見ていたこともある。

目が覚めると漁師たちはもう一仕事を終え、網の手入れをしている。漁師たちの元気な話し声も風景の一部だ。

港から海岸線沿いに散歩コースが設置されており、そこを歩いて写真撮影する友、ジョギングする友…、早朝の過ごし方は様々。僕はたいてい眠っている。

朝、3回目の温泉に浸かる。

朝食

朝食はこんな感じだ。

前夜刺身で食べた伊勢海老は直後に回収されており、朝、味噌汁に浸かって再登場する。

また会いましたね。最後までしっかり食べますよ。

小川さん

宿を出た直後に板さんがカラスミを持って出てきた。

また来年も来ます!と挨拶して別れを告げる。

サザエのつぼ焼き

朝食を食べてそれほど時間が経っているわけでもないのに、旅の腹具合はいつもと違うようだ。

「食べていかないかい」と言われれば「はい」と従う。メンバーは素直でいい人ばかりなのだ。

「ビール飲みたくなっちゃうねぇ~」というと「飲んでくれていいよ。僕が運転するから」という優しい言葉。ぐっと我慢する。

アジアンオールドバザール IZU

伊東の「アジアンオールドバザールIZU」も定番といっていい。

僕は毎回ウブドカレーを食べている。同じものばかり食べているから保守的な人間なのかもしれない。

以前、パクチーが入った何かを食べ、その臭いに辟易した。それから冒険するのは止めた。

バザールではインドネシアの雑貨などを売っている。いったいどれほどの雑貨を買っただろうか。

猫の町

海が近いから魚がいて猫がいるのだろうか。あちこちで猫に会った。

しかしながら同じ猫に2度会ったことはない。

ヴァンジ彫刻庭園美術館

定番とまではいかないけれど3回は行った。表情が独特で何度見ても楽しめる。

再訪

昔の友と出かけることはもうないだろう。最後に残るのはやはり家族か。ぐるっと回って原点に返る。

連泊して、昼間は散歩をしたり読書をしたり昼寝をしたり。夜は冷酒を飲み刺身を口にする。

板さん、おばさんたちは元気だろうか。

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