我が家にある100年前③真空管ラジオ 8月18日

懐かしい時を求めて

5球真空管ラジオ

真空管ラジオも蓄音機と一緒に親戚から頂いた物だ。

部屋のディスプレイ用にしていたが置き場所に困るようになり、倉庫で保管していた。「誰か修理できる人がいたらいいのに」と思っていたら、仕事で知り合った先輩が「修理しましょう」と言ってくれた。真空管ラジオを入手してから30年が経っていた。

ところがうまくいかない部分があり、先輩の知り合いの電気屋が次に修理を引き受けてくれた。

スピーカーを取り付け、わずかだが音が出るようになった。

その後に修理を引き受けてくれたのは、六合駅近くにあるラジオ博物館の館長だった。

真空管が5球ある。使えないだろうから交換になるだろうと腹をくくったが、「使える」との連絡があり驚いた。ただ、1つだけ必要な部品があり、ネットオークションで落札するので、その費用5,000円程度を負担してもらいたいとのことだった。

左側にあるオレンジの縦じまのものは乾電池で、修理して乾電池で再生することも可能だが、頻繁に電池交換しなければならず、その費用を考えると交流電源に変えた方がいいとのことでお任せした。

ダイヤルのメモリの塗料が剝げ落ちている。「それくらいは自分で直すように」と言われ、頑張って塗装した。

綺麗に塗装できた。

はっきりした製作年はわからないが、1920年代、昭和初期ではないかと思う。

「ラジオの技術・産業の百年史」岡部匡伸,勉誠出版,2020を見ると、5球ニュートロダイン受信機(1925)と超ブローニング・ドレーキ5球受信機(1929)が見た目がそっくりだ。ほぼ100年前。

ラジオ博物館の館長から、メーカーが量産化する以前は、個人でメーカーに製作を依頼したり、個人で組み立てて箱の製作を家具職人に依頼したりしたそうだ。

その後、知り合いの古民家を改装したカフェに眠っていた、蓄音機と一体となった真空管ラジオを、ラジオ博物館の館長に修理してもらった。その真空管ラジオは、古民家に住んでいた人(現在80代)が、高校生の時に製作したラジオであることがわかった。

直流を交流に替えたことで「ぶ~ん」というハム音が流れるが、それがまたレトロな音質で、昭和にタイムスリップしたような感じになる。

昔のものは大切にすると長持ちしたんだなと感心。

数十年前、叔父たち家族がこの真空管ラジオの前に集まり、音源に耳を傾けていた情景を想像する時、古き良き時代の家族の一員に加わったようで、ほっとする。

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