革の印鑑袋

レザークラフト

娘の夫の親友のお母さんに、実印を入れる袋を革で作って欲しいと言われた。

驚いたのはその数で、5つということだった。確か昨年、夫を亡くしたと聞いていたので、そのことに関連して子ども達が実印を持つようになり、彼らへの贈り物とするのではないかと勝手に想像した。

これまで使ってきた印鑑の袋の写真が娘を経由して送られ、見れば私が好んで作る「革と糸の配色に遊ぶもの」ではなく、実用的なものだった。

ではと・・・最初に実用的な物を忠実に再現して作り、それだけでは面白くないので、違う手法でいくつか作ってみた。

しかし結果的に選ばれたのは実用的な物だった。次の写真の2種類、4つ。

1つだけ、次の写真のオリジナルの袋が選ばれた。私はこれが一番気に入っている。

選ばれなかった物には悲哀が漂う。人にも同じことが言えるのではないか、などと考えていたら、1つ娘が欲しいと言ってくれた。

残ってしまったのは次の3つ。選ばれなかった原因は袋にあるのではなく、作った私にある。

当たり前の話だ。

なに、今選ばれなかったとしても、いつの日か世に出るものは出る。大器晩成と考え、とりあえず引き出しにしまった。

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