金属の箱のラジオを作りたいとずっと思っていた。すると初期に作った漆の箱のラジオが壊れた。蝶番が二つ壊れて扉が外れてしまっただけで修理は簡単。しかしリメイクに気持ちが傾いた。このラジオは生まれ変わりたいと思っているに違いない。

実は、AM/FM両方受信できるこのラジオキットは、もう販売されていないと言っていいほどで、値段が4倍以上に釣り上げられた物が少しだけ売られている状況である。
せっかくリメイクするのだから、見栄えだけでなく機能も良くしたい。AM/FM切り替えスイッチが基盤に固定されているのを外し、普通のラジオのように外側につけることにした。
基盤とスイッチを線を半田付けしてつなぐことに成功。

板はヒバを使った。良い香りがする。
アンテナ、スピーカー、スイッチ類の穴を開け、裏蓋は磁石で固定するようにした。磁石を木に埋め込んだ。

真鍮の厚さは0.2㎜。最初0.1㎜の銅板で製作に入り、薄くて扱いやすい反面、ちょっとの力が加わる(強く触る)だけで凸凹ができてしまい失敗。0.3㎜になるとしっかりしたものになるが、穴あけなどの加工は難しくなる。

組み立てる前に並べてみる。
スピーカー、アンテナをどのように固定するか・・・一つずつ考えながらやっていくことにした。

出来上がり。
後ろから見ると、マジシャンが扱う小道具のようだ。

裏蓋を開ける。スピーカーは両面テープと木の板で固定した。木の板はアイスキャンディーの棒で、色々なものに使えて重宝している。
アンテナも固定できた。古いラジオを処分した時に、アンテナだけは外して保管しておいたのが役に立った。

革で金属の接続部分を隠すと同時に飾った。手袋をして作業をすれば表面はもっと綺麗だっただろうけど、どうせすぐに酸化して変色していくのだ。最初から腐食剤を使って変色させることを考えたくらいだから、気にしないことにする。

ちょっと変なラジオだけれど、変な私に似合っているような気がする。
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