先輩から「電動工具を貸してほしい」と連絡があり、何事か尋ねると「シロアリに家の床下が食われてしまったので修繕する」とのことだった。
丸鋸、電動ノコギリ、電動ドリル、クランプなどを持ってお宅に伺った。
既に畳、床板が外されていた。思った以上に状態が悪く、困難が予想された。
「床つか」が見事に食べられてしまっている。
下からのぞき込むと、床板を剥していない部屋の下も食われてしまっている。
暑さで乾燥している日が続いているにも関わらず、食べられた木材の部分は湿っており、そこを尖ったもので突いてみたら、嚙み砕かれて柔らかくなった木材と一緒にシロアリが地面に落ちた。
シロアリを見るのは初めてである。
見た目は可愛らしい。しかし持ち帰って飼育しようという気にはならなかった。1匹持ち帰るだけで、とんでもないことになりそうな気がしてくる。
2か所に「つか」を入れた。左側の「つか」は車のジャッキを使って敷居を上げて取り付けた。
床をささえる木材(横木)をはめ込んだ。
それでもごく一部。1日や2日でできるものではない。
休憩。気持ちの良い風が入ってくる。
この後、うっかり敷居の上に乗ってしまい、敷居が下がってガラス戸が外れてしまった。ガシャーンとガラスが割れる音がして、飛び散ったガラスの破片を片付ける。
手伝いに行ったのか邪魔しに行ったのか、よくわからなくなってしまったが、ガラスの件を先輩に謝ると「気にしなくていい」と言われ、その夜「そのことがあったので隣の部屋の畳を剥してみたが、シロアリだらけであることがわかった。君のおかげだ」などと感謝された。
私の家の床下シロアリ調査については過去のブログに書いたが、その後調べたところでは、シロアリは地面の下に蟻道を作って移動するらしく、翅が生えたシロアリが外壁の隙間から家に侵入することはないらしいことがわかり安心した。
今回はまさに地中を移動して家の床下に入り込んだケースではないだろうか。
最近の家の床下は、コンクリートで固めてあり、その上の木材にシロアリが入り込むのは容易ではないと思うが、多くの家でシロアリ対策をしていたり、実際にシロアリがいるのはどういうわけだろうか。
気がついたのは、もう一つの要素である「湿度」が大きな鍵を握っているのではないかということである。床下に送風ファンを取り付けたりするのはそのためなのだろう。
私は、自分の目で床下の状態を確認しておくことが大切ではないかと思っている。信頼できる専門業者がいてお金を出すことができれば、危険を伴う作業などする必要はないが、住んでいる家の見えない部分の状態を把握することで、生きていく上では「DIY」が基本であることを体感することができた。
私が床下に入ったのは、リビングの床が軋んだからであり、結果的にシロアリの痕跡は見つからなかったが、念のため市販の薬をまいておいた。不思議なのは、その後、床の軋みがなくなったことである。もしかしたら、肉眼では発見できなかったが、初期の「シロアリ隊」がいたのではないかと思ったりもしている。
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