時計を何度も見た日 10月28日

懐かしい時を求めて

プロ野球日本シリーズがいよいよ始まる。朝6時過ぎにパチリと目が覚めたが、試合開始まで12時間もあると思うと、何をして時間を潰せばよいか考えてしまった。

よし、時間をかけて丁寧に漆を塗ろう。汁椀にまだらの色模様をつけたり縞模様をつけたりしていたら昼近くになった。しかしあと6時間30分もある。

昼食を食べ入浴する。あと5時間30分。まだ時間あるなぁ…。

すると友達から連絡が入った。

友達と2人で計画している秘密基地「大人の隠れ家」で使えそうな備品をくれるところがあるという。ちょうどよい時間つぶしだと思って出かけていく。

その直後に、嫁いだ娘から連絡が入った。

実家に帰るのを1日早め今日にするという。うっ!…娘が食べたいと言っていたポテトサラダを急いで作らなければいけない。

そして妻からはハンバーグの材料を買ってきてほしいと頼まれる。

試合開始までの時間を持て余していた状況が逆転し、試合が始まるまでに全てこなせるか心配になってきた。

それからは時間がゆっくり流れるよう願いながら何度も時計を見た。しかし時の流れは急速に早まっていった。

備品を六角レンチで解体し、車に積んで一旦家に持ち帰る。妻から頼まれた買い物をするが、ハンバーグ用の牛肉100%のひき肉が見つからず、2店舗目で必要量の5分の1だけ確保する。妻に連絡すると「なければ合い挽き肉でよい」との答えに安心して家路を急ぐ。

家に帰るとリビングには既に娘や孫たちが集まり賑やかに談笑している。人数を数えると女9人、男は私1人だ。

急げ急げ!私は定番のポテトサラダとかぼちゃ煮。妻はハンバーグ、ネギマを焼いている。

何とか日本シリーズの試合開始に間に合った。しかし9人の女性たちが賑やかでテレビの解説が聞こえない。あぁ~…こんな時間にピアノを弾くなんて…と思いながらも黙って杯を重ねた。

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