老後の授業 1月8日

イラスト

一日の時間割を考え、計画的に過ごすことにした。

1時限目 漆塗り

朝食後には漆塗り。これは毎日行っていること。絵の具の筆箱の蓋を胴摺粉と種油を混ぜて研磨する。

このあと摺り漆3回、呂色粉研磨、摺り漆1回で完成。

2時限目 習字

もらった硯石を使って墨をする。しかしそれは最初だけで、時間がかかるので100均の墨汁を使った。

「一」を書けるようになるまでにどれくらいの時間がかかるのだろう。数字が無限にあることを考えると、それだけで一生が終わってしまうではないかと馬鹿げた考えが浮かんできた。

教本の次のページに「悪い例」があり、私の字がまさしくそうであった。

一番書きたいのは「ひらがな字」。その基本中の基本に三本線があり、何度も書いたが全く駄目。半紙の文字が呪いの文句に見えてきた。文鎮のフグもあきれ顔。

太筆、細筆と使い、墨がついた筆はいったいどこに置くのだろうと思って調べたら、洗った筆を吊るして乾かす器具をネットで見つけた。そうか自分で作ればいいじゃないかと庭に飛び出して、マルベリーの枝を切った。また一つ工作するものができた。

3時限目 園芸

昼食に雑煮を食べ一服したところで庭に出る。

桃は植え替えをしないと実がなりそうにない。3年花は咲いたがそれで終わり。

赤玉と腐葉土を混ぜて大きな鉢に植え替えたはいいが、重くて腰にきた。これ以上大きな鉢を持ち上げるのは無理だ。次は地に植えるしかない。

4時限目 美術

高橋京子さんのボタニカルアートの入門書に習う。が…、光を捉えられない、描けない。でも楽しい。

これは続けられそうだ。

5時限目 音楽

5時限目が始まったのは午後4時。西日を浴びながらギターをストロークでかき鳴らす。

歌を歌うことは体にいいらしい。

ボロボロになった古い楽譜…50年前のものを取り出し、ギターを鳴らして最初のページから歌っていく。

山田パンダの曲はほとんど歌ったことがなかったが、歳をとり歌詞に重みを感じるようになった。

最後の方に「あの唄が想い出せない」という曲があり、初めて歌ったような気がしたが、素敵な詩だと思って繰り返した。見れば作詞は忌野清志郎ではないか。

…君はいつもどうして 今日も生きてるの

わからないよ僕は 信じたいのに

曇った街並み 僕には歌う唄もない

君はいつもやさしく 僕を抱いてくれたけど…

2時間歌っていたら、6時限目の体育の時間がなくなってしまった。

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