レインメーカー ケース

レザークラフト

三宮麻由子さん「そっと耳を澄ませば」(集英社文庫,2007)、「雨の日の楽しみ」に次のようなくだりがある。

「最近、私は「レインメーカー」という不思議な楽器に出会った。もともとは中南米に古くからある楽器で、枯れたサボテンから刺を抜いた円筒の中に、たくさんの種か木の実が入っているだけのごく簡単な仕組みである。筒の内側には抜いた棘が差し込んであるので、楽器を傾けると中の種が棘に当たって音が出るのであろうか」

「おおよそ信じられないような激しく豊かな雨の音が聞こえてくるのだった。まるで頭にたくさんの水が落ちてくるというか、突然、草原や砂漠が生まれたような、なんともいえない壮大な気分にさせられる」

そして、盲学校時代のちょっとしたいたずらや視覚障害者が耳の中にある圧力を感じる器官が発達していること、雨の日の様々な音が綴られる。

それを読んで、どんな音か知りたくなった。

ネット検索では「レインメーカー」よりも「レインスティック」の語の方がたくさん見つかる。

メルカリにも出品されていたが、ヤフーフリマに手頃な価格のものがあり購入。2,450円。

約50センチ。長ければ長い方が良さそうだが、2万9000円などというものはとても買えない。

どんな音か。

ゆっくり傾けると、ピチャピチャと雨粒が跳ねる音がする。傾け方にもよるが、回転させながらゆっくり傾けてみると、最後の種が落下して鳴り止むまで90秒を超えた。

80歳近い知人に聴いてもらったところ「こういう音は聞いたことがない。癒される」と真剣な表情を見せた。もっと長いものを買ってしまうのではないかと思われるほどであった。

さて、そのレインメーカーだが、どうも持ち運びがしにくい。もっとも持ち運ぶ機会は限られているから必須とは言えないが、ケースを作りたくなった。

革で作ってみよう。曲線の長さを計る物差しが便利。21センチくらいでいいのではないか。

少しでも天然な色をとヌメ革を選び、底は端材の緑にした。今回は型紙を作らず、そのまま革に線を引き裁断。

久しぶりのレザークラフトだったので、作る順番も手探り。他の革との関わりが少ない部分をまず作る。

ワンポイント、記しを入れた方がいいだろうと、革を焼いて文字を記す。これは私の所属するバンド名。

縫い合わせる穴を空ける準備として、穴の位置がずれないよう、ゴムのりで接着する。ゴムのりが乾いてから革を貼り合わせる。

縫い目として印した線に沿って、穴を空ける。

ゴムのりで接着したところを離して開く。革を縫い合わせるには、穴の数が同じでないといけない。

ところが、直線部分と円周の長さは同じにしてあるものの、円に穴を空けるのは3ミリほど内側なので、その円周は短くなる。

このため、直線部分で使った器具で穴を空けてしまうと、穴の数が足りなくなる。

私が採った方法は、直線部分の穴あけに使った器具の先端を円の外側にはわせ印をつけ、その印と円の中心を定規で結び、内側の円周上に印をつけるという原始的なもの。分度器を使い均等な角度で印をつける方法も考えられる。

ちょっと殺風景だなと思い、カシメを打ち込んでアクセントをつけてみる。

縫う順番・・・底板を縫ってから、横を縫った。

最後に上部、口の部分を縫った。

いずれも縫い糸はクロスさせているが、底板と他の部分では縫い方が少し違う。

底板は強度を出したいこともあり、表面のクロスが連続しているが、他は一つ飛ばしになっている。一つ飛ばしの方がちょっと洒落ている感じがする。

楽器の頭の部分が少し見えるようにした。

完成

コメント

タイトルとURLをコピーしました