諏訪湖・松本・明知鉄道 2018年5月

ローカル線・バスの旅

新宿から「あずさ9号」で上諏訪に向かった。

あずさ9号止まる

列車が発車して間もない9時過ぎ、三鷹駅近くで列車が止まってしまった。信号機のトラブルとやらで「10時30分頃復旧予定」のアナウンスがあった。車内販売で「イチゴセット」480円を食べて時間を潰す。

その後「11時30分頃復旧予定」に訂正された。後部席のだみ声の婦人が大声でずっと電話していて、悪い時には悪いことが重なるものだと諦め、イヤホンを耳にねじ込み音量を上げて音楽を聴いた。

諏訪湖

結局3時間30分遅れで到着した。特急料金が返されたものの、旅の予定がすっかり狂ってしまった。

諏訪湖周辺をぶらぶら散歩するくらいしかない。

「銀盤の力走」とある。アイススケートか。

他にも色々な作品が展示されている。

湖の中にもある。

ホテルの方向を眺める。

少し湖から離れてみる。

片倉館

重要文化財の「片倉館」。ホームページに「大正から昭和の初期に日本における輸出総額の約4割が絹製品であった当時、シルクエンペラーと称された片倉財閥により地域住民に厚生と社交の場を供するため1928年(昭和3年)に竣工され…」とある。

入口の看板に「千人風呂営業中」とある。1,000人は無理のようだが100人入浴できる単純温泉である。時間が無くなってしまったので諦める。

飲食処 ばんや

ホテルを出て居酒屋を探す。雰囲気の良さそうな店を発見。

酒のメニューが素晴らしい。

「真澄 純米吟醸 うすにごり」「神渡 生貯蔵酒 春誂純米」「横笛 純米しぼりたて生原酒」「舞姫 純米吟醸」いずれも純米で、こういう店は間違いないと、小躍りしてしまう。

4種の酒を順番に飲んでいく。全て美味しい。

馬の肉と鹿の肉で「馬鹿肉」。私にぴったりだ。

諏訪湖のワカサギのから揚げ。

酒もつまみも美味しく、店員の接客も抜群に良かった。ツキが無かったスターを十分に補ってくれた。

並木 DE コンサート

ホテルに帰る途中、鉄道端の小さな公園で市民楽団の吹奏楽が演奏されていた。椅子に座ってしばらく聴き入る。こういうの、いいなぁ。

上諏訪ステーションホテル

ホテルの温泉にゆっくり浸かり、ぐっすり眠る。

朝食は、色々なものをちょっとずつ食べることにしている。

しかしカレーがあると、やはり食べてしまう。豆カレー。

1泊朝食付き温泉ホテル、部屋も綺麗で7,150円は安い。

上諏訪駅から…

今日は上諏訪駅からスタートする。

松本

塩尻で乗り替えようと思っていたが、車中で熟睡してしまい、終点のアナウンスで目を覚ましたら松本だった。次の電車まで2時間あるので、町を歩くことにした。

松本城

松本には何度も来ているけれど、せっかくなのでまた城を観ておこうと歩き出したら、歩道に落ちていた鉄道の切符を拾ってしまった。未利用の「新宿-茅野」回数券2枚。落とした人は困っているだろうなと思い、駅前の派出所に届けだたが、手続きに30分かかってしまい、今日も予定が狂ってしまった。

松本のまち

城を見た後、駅に戻っていく。

日曜日ということもあり、あちこちでイベントが開催されていた。

こういうタープを見たのは初めて。風の影響を受けるだろうが、こういうベンチに座って写真を撮りたくなるのではないだろうか。

ひょうたんとうるしの作家

クラフト市のテントをのぞく。

綺麗なひょうたん。漆を塗っているそうだ。漆と聞くと欲しくなる。

我慢できず買ってしまった。4,000円のブローチ。

ひょうたんに穴が開いているのは、ブローチに花を刺して飾るためのものか?と尋ねたら、虫が食った自然の穴なのだそうだ。野の花を刺してもいいと思った。

今、私は漆を塗ってあれこれつくるようになったが、あらためて見てみると、こういう技法は知らなかったし、このように綺麗に仕上げるのは至難だ。プロは流石だと思う。

青翰堂

ビルに挟まれた古書店「青翰堂(せいかんどう)」。昭和25年に建てられたそうで、周辺のビルよりも存在感がある。

駅に向かう途中、火災に遭遇した。100年を越える老舗蕎麦屋が焼けているとのことだった。

やっと目的地・奈良井への電車がやってきた。

奈良井

奈良井駅に着いた。

奈良井宿

車の乗り入れ制限、電線の地中化、建築物の規格統一で景観を美しく保っている。

浮世絵の世界がそのまま残されている。

経済活動も活発に行われている。

古い看板の価値がどんどん増していく。。

托鉢僧。修行だろうか。

案内板に「1602年江戸幕府により伝馬制度が設けられ、中山道六十七宿が定められ、奈良井宿もその宿場の一つとなった」とある。

お腹が空いたので蕎麦屋に入る。

わさびそば。美味しい。

布を貼った漆器が面白いと思って購入。3,000円

木曾福島

奈良井から4駅目の木曾福島に到着。今日の宿泊地である。

木曾福島宿

奈良井同様に統一された景観が美しい。

創業は明治25年(1892年)という七笑酒蔵。酒蔵がある町は歴史を感じさせてくれる。

本日の宿。チェックインの時間までしばらくあるので、町を歩くことにする。

木曾川はここ長野から岐阜、愛知、三重を流れて伊勢湾に注ぐ一級河川。

ホームページに「山村代官屋敷は、木曽谷を280年間守った代官の屋敷」とあり、山村家の文化資料、著書、調度品などが展示されている。

木曽三大寺の一つ、長福寺。開基・開山は15世紀で、度々の火災に遭い、現在の本堂は昭和40年代に再建されたもののようである。

美しい参道を歩く。

木曾川

木曽川に降りてみる。

5月も末になろうというのに雪解け水なのか、冷たさにすぐに足の感覚がなくなる。

関所

川から上がって少し坂道を上がる。

心が落ち着く道幅。人とすれ違う際には何かの化学反応が起きることもあるかもしれない。

関所を通る。

山の上から町を眺める。

面白い建築物を見つけた。高度な技術が必要なのではないか。

街道浪漫 おん宿 蔦屋

部屋は古いが広々としている。

温泉が素晴らしい。今日も一人。

居酒屋 あきちゃん

ネットで近くの居酒屋を調べて見つけた店。

地酒2種。いずれも美味しい。

寿司2,100円。抜群に美味しい。

朝食も素晴らしい。1泊朝食事付きの温泉ホテル、7,980円に大満足。

木曽福島宿

駅に向かいゆっくり宿場を歩く、

美しい路地に迷い込む。

水の流れに時が重なる。

明知鉄道

恵那から明知鉄道に乗り替える。

10駅目、終点の明智に到着。

手持ちの鉄道路線図、鉄道名「明知」と駅名「明智」の違いは印刷ミスと思っていたが、そうではないらしい。ネットで調べてみると、元々は「明知」だったのが、後に駅名の方をその町名の「明智」に改名したらしき記事を見かけた。

大正村

町は「大正時代」を基本コンセプトにして整備されている。

ゆっくり歩いて周れる規模が、観光客にとってはありがたい。

またしても路地。迷い込もう。

町全体が大正時代を醸し出す博物館になっている。

大正村の初代村長は俳優の高峰三枝子、2代目が司葉子、3代目(現在)が竹下景子だという。

もう少し歩く。

次は4駅戻って岩村に行ってみよう。

岩村

手作り感たっぷりの駅。

物を大切にしている感じが懐かしい。

知らない人たちだが、立派に違いない。

テレビドラマのロケ地だったらしいが、テレビを見ることが殆どないので、番組もこの方も知らない。

この街並みも美しい。

ロケ地になりさぞかし賑わったことだろう。写真が沢山展示されている。

古い人間なので、最近のテレビの話題よりも、子どもの頃見かけた看板の方が目に留まる。ボンカレー食べたなぁ。

由美かおるじゃないか。水戸黄門に出ていたな。

現代風レトロな看板。

お腹が減ったのでうどん屋に入る。

東海テレビがお笑い芸人を使って番組を収録している。もちろん芸人が誰なのかはわからない。

外に出ると何やら賑やかな感じがしたので近くの人に聞いてみると、どうやら皇室が訪れているらしく、物々しい感じがしたのでその場から静かに離れた。

駅に向かう。

クリーニング屋を最後に利用したのは何年前のことだったか。

十分に観た。家に帰ろう。

電車を待つ。

こういう景色に気持ちが安らぐ。

景色に似合わないラッピング電車がやってきた。先ほどのポスターの女優だ。

土産はサイダーを買い、飲み比べてみた。

2泊3日、よく歩き、よく観た。

コロナ時代が到来して出かけなくなり、退職して家にずっといるようになり、そういう状況で今、冷静に旅を振り返ると、一種の熱病に侵され彷徨っていたような気がする。

旅先での出逢いは、人も物も全て刹那で責任が生じない。責任を負わない位置に身を置く、現実の責任から逃げる。そういう潜在意識が旅に駆り立てていたように思う。

旅を振り返り、また旅をしたくなった。これからの旅はどんな旅になるだろうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました