シンプルに漆のおちょこを作ってみようと思う。
木材を回転させながら刃をあてて削る木工旋盤があれば簡単にできそうだし、いずれ備えたいものだけれど、まずは今自分が持っている工具でどこまでのものができるか試してみたい。
木材のブロックは100円均一で何となく買っておいた1辺45㎜の杉の立方体である。
中心を決め、コンパスで最大径を描き、その内側にすこし小さな径を描いた。
万力に固定する。
穴を掘る
使う工具は電動ルーター。
「定格時間」といって、連続使用時間が制限されている。確かどれも15分だったので、15分使ったら15分休めないといけない。しかしながら気温が高く、10分程度でもモーターが熱くなるので、10分使って15分以上休めることにした。
1台だと連続作業ができないため、4台を順番に使うことでその問題を解消している。ただ、このうちの1本(左から3番目)は、先端に取り付けられるビットの径が違うため、他の3本とは少し違う「削り」になる。
また、右の2本は充電式なのでパワーが劣る上、休憩時間に充電が必要になってくる。
1時間で深さ半分まで掘り進めることができた。
しかしこの後、作業効率の良いビットを見つけ、そのビットを付け変えて使い続けることで、後半は半分の時間で彫ることができた。
角を落とす
角を落としたのはこのマイクロベルトサンダー。
大まかにマイクロベルトサンダーで曲面にした後、サンドペーパー100番、320番で研いだ。
とはいえほぼ手作業なので荒削りである。
ここまでに要した時間は3時間。
最初にノミを使って彫ればもっと時間は短くなるのかなとも思う。
内側を研ぐ
色々なもので内側を研いでいく。
丸い棒にサンドペーパーを巻いて研いでみた。100番、400番を使う。
白チョウ貝を切る
おちょこの底に月の形をした貝をはめ込みたい。白チョウ貝を貝専用の糸鋸で切る。
大まかに切り出した。最後に指もザックリ切った。刃の進行方向に体を位置させてはいけない。
ギザギザの部分をヤスリで研ぐ。
貝をはめる穴を掘る
月の形をおちょこの底に描く。
この黒いところを掘ればいい。
色々な工具で慎重に穴を掘ったが、やはり隙間が空いてしまった。
隙間は何かで埋めないと安定しない。人間の心と同じだ…などと戯言を言ってみる。
貝の隙間を埋める
漆、米糊、木粉を混ぜたものを隙間に充填する。これに麻を混ぜたものを刻苧(こくそ)というが、今回麻は使わなかった。
充填した漆が固まったら、いよいよ漆塗りの工程に入る。
内側は黒にして、酒を満たした時に闇夜に月が浮かぶようにしようか。外側は木目を残そうか、いや、それではありふれているから違う塗りにするか。
塗りながら考えることにする。
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