もくじ
土佐くろしお鉄道で奈半利駅へ
- 高知での用事が片付き、ここからは私の時間だ。岬に吸い寄せられるように向かっていく。
- 鉄道で行けるところまで行き、そこから先は路線バスだ。
- まずは御免町駅から終点の奈半利駅へ。
- 出発まで時間があるので商店街を見て回る。ここに生まれていたらどのような生活をし、どのようなつながりで生きていただろうか。
- JRから土佐くろしお鉄道への連絡は、JRが「御免駅」、土佐くろしお鉄道が「御免町駅(愛称・ありがとう駅)」
- 「ごめん駅があれば ありがと駅もほしい ごめん駅とごめん町駅ではまぎらわしい」…なるほど、やなせたかしはいいこと言う。
- 電車がやってきた。やなせたかしの絵が乗客をもてなしてくれる鉄道である。
- 海辺の住宅を眺めながら、ここに生まれていたらどのような人生を歩んでいただろうかと考える。
- 1時間20分ほどの乗車で終点の奈半利駅に到着した。
- 高知はやなせたかしのふるさとなのだ。
路線バスで室戸岬へ
奈半利名物「つがにうどん」
- 奈半利駅でご婦人たちが何か真剣に食べている。何だろうか。
- 奈半利名物「つがにうどん」に違いない。私もこれを食べよう。
- カニと磯の香りが口中に広がる。スープを飲み干し、ネギも残さない。
路線バスに乗る
- バスは本当にやってくるだろうか、いつも一抹の不安がある。表示されている文字を見落とさないよう読み込む。
室戸岬
海岸を歩く
- バス停で降り海岸に出る。
- 木の根が岩をからめとっている。うっかりすると私も岩のような運命をたどるのではないか。足早に通り過ぎる。
- 台風が近づいており、海が荒れ始めた。
お遍路道をゆく
- 岬の民宿の裏山に四国八十八か所の寺があると知り、いつの日かの遍路のために見ておこうと思った。
- 二十四番札所 最御崎寺(ほつみさきじ)。登りは簡単ではなかった。年配の遍路に追い越されていく。
- お参りする。
- 灯台にたどり着いた。ここに立ち寄る人はいないようだ。
- この坂の下に宿があり、潮風を受けスカイラインをゆっくりと下る。
民宿 室戸荘
- 名物女将がいるという口コミを見て、この宿を選んだのだ。
夕食
- 歩いたらビール。歩かなくてもビール。
- 焼きカマス、金目鯛の煮つけ、カツオのたたき…好きなものがずらりと並んでいる。
- 私の他には父子とお遍路。お遍路はビールを5本飲んだ。負けた。
- 見慣れぬものが目の前に。鮑だろうか。
- 女将が「クジラの舌」だという。恐る恐る箸を伸ばし、鼻をクンクンさせて口に含む。きめの細かいスポンジ…化粧パフのような食感。う~ん…
- 部屋でくつろぐつもりが、台風で海が咆哮し、窓ガラスがひっきりなしに音を立てている。
- 建物は壊れないか、明日バスは運行するのか。恐怖と不安でよく眠れなかった。
朝食
- それでも朝が来た。
- 朝から焼きなすが食べられるとは幸せだ。120歳まで健康で生きる食事の見本がここにある。
名物女将
- 台風をも恐れない堂々とした女将に自らの小ささを自覚。
- 笑顔で温かい接客。とりとめのない会話にこそ、旅の素晴らしさがある。口コミどおりの良い女将。ありがとうございました。
お遍路
- 広島からのお遍路。昨日までの3日間はコンビニ食だったそうだ。前夜、風呂でお話を聞かせてくれた。気をつけていってらっしゃい。
- 私も宿を出る。
路線バスで甲浦駅へ
- 台風は通り過ぎたようで一安心。バス停の周辺を犬のように散策。
- 来てくれた!
阿佐海岸鉄道とJR牟岐線で徳島へ
- ここからは鉄道でゆく。
- 第三セクター阿佐海岸鉄道 甲浦から終点の海部までは、わずか3駅。
- 海部から徳島へはJR牟岐線が走る。
- 車両独占。対座シートにゆったり座る。
牟岐駅
- 牟岐駅で30分の停車。ならば駅の外を見ておこう。
- あるのは海
日和佐駅
- 日和佐駅で下車。日和佐はNHKテレビ小説「ウェルかめ」の舞台だった。
- 日和佐の海を見たい。20分ほど歩く。
- 美しい海岸が視界いっぱいに広がる。穏やかに波がよせる。
- 海辺に「日和佐うみがめ博物館カレッタ」。カレッタはアカウミガメの学名。入ってみよう。
- 色々なウミガメがいる。死んだウミガメや生きたウミガメ。貴重なウミガメの肉を食べたことを思い出した。そのことを怒っているのかもしれない。
- 外に出て「道の駅日和佐」へ。足湯に浸かり疲れを癒す。
- 再び電車に乗り徳島に向かう。車窓に流れる海を眺めながら寿司を頬張る。
徳島に到着
- 旅の終わり。徳島からは高速バスで新神戸へ。夕食用に徳島の郷土料理「ぼうぜの姿寿司」を買う。白身魚の押し寿司で一杯やろう。
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