いずたび③ 遊季亭 12月18日

懐かしい時を求めて

2か所を観光し、いよいよ宿へ。宿までは「花の絵美術館」から20分とナビに表示されたが、道路が混雑していて倍くらいの時間がかかった。

お茶で一服してから部屋に入る。

角部屋なので眺めがいい。

向こうに見えるのは伊東の海。

大きなホテルがあり、あちらから見える景色はどうだろうと想像する。

温泉に浸かり夕食。賑やかな食堂で食べるのかと思っていたら個室だった。

献立表を見る。

まずはビールで乾杯。

ビールは一口飲んで要らなくなった。後は妻に飲んでもらうことにして地酒の選定に入る。

「静岡地酒純米酒吞み比べ」か「純米大吟醸吞み比べ」か。知らない酒は無いが価格で迷っていると妻に背中を後押しされ「純米大吟醸吞み比べ」を選ぶ。

え、これだけしか入っていないの…と思ったが、健康にいいと前向きにとらえることにした。

刺身のつくりを楽しむコースなので、色々な魚が登場した。名前が塔婆のように立っている。

飲み比べの酒はあっという間になくなり、さて次はとメニュー表を見ると知らない酒があった。

「伊豆脇田屋」。なんと1合1,890円!…う~んとブツブツ言っていると、またもや妻の後押し。「飲みたいものを飲めばいいじゃない」

1合1,890円出して失敗したくない。しかし失敗は笑い話になるかなと、恐る恐る口に運ぶ。

美味しい。九平次よりも少し甘く美味しい。旅の良い思い出になった。

強く印象に残った料理はステーキ。わずか二切れ、口の中でとろけてしまうのが惜しかった。

「海の宝石箱」にはアワビ、ウニ、イセエエビが入っていた。贅沢な感じ。

何か色々入っている蒸し物。

鴨鍋は汁の味付けが絶妙で、どうしたらこういう味を出せるのだろうと考え考えしているうち、全部飲み干してしまった。

ご飯を食べて満腹になる。

右の「プラリネアイス」、「プラリネって何か」尋ねると「木の実の一種」とのことだった。

温泉に2回浸かって就寝。

次の写真は、翌日、日の出の頃。3度目の温泉に浸かる。

温泉で他人のスリッパと間違えないよう、マジックで何か記すようにと注意書きがあった。

偶然同じ絵を描いた人がいたら握手したくなってしまうが、他の人達は氏名らしきイニシャルを記していた。

昨夜と同じ個室で朝食。

上目遣いのアジと目が合う。命を奪ったのだから、骨も食べられるところまで食べるよう心掛けている。

こういうところの梅干しは美味しい。売店で1個あたり300円で売っていた。だし巻き卵が大きい。

どんなメニューなのかイラストで描かれていて、こういうのを見ると嬉しくなってしまう。

食後に4回目の温泉に浸かる。

12時まで滞在できるゆったりコースだが、温泉に浸かる以外に時間を費やす方法が考えつかなかったので、10時半頃にチェックアウト。

ロビーには竹を使った灯りのアート作品。川沿いにずらっと並べて伊東の温泉街をライトアップしている。こういうのもいいなと創作意欲がわく。

この宿は1泊2日、2食付きで1人27,000円のところ、観光クーポンにより25,500円。

料理は申し分なく、温泉も広々としてよいと思う。しかしもっと人間味あふれる温かい接客があったらと残念に思った。最後に朝食を担当した若い外国人研修生が一生懸命な様子を見て、少し救われた気がしたが、この価格帯でそこまで望むのはわがままであろうか。

接客のプロになるのは大変だと思う。従業員が心から仕事を楽しんでいるのが伝わってきたときは、料理や施設、設備がどうであろうと、良い旅の印象が強く残り、またその地を訪れその人に会いたいと思うくらいになる。実際にそういう宿をいくつか経験しており、次はもっと良い旅をしたいと思っている。

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