オールド上海 7月2日

カフェ

オールド上海カフェ1930

静岡で勉強会があり、オールド上海カフェで昼食をとることにした。

階段に「2F 1930 オールド上海カフェ」の案内がある。突き当りのドアは中2階の別の店で、右に折れてもう一つ階段を上る。

「1930」というのは年代のことだと思っていたが、もしかすると営業時間のことだろうか。

マスターに尋ねると、やはり年代のことで、1930年代をイメージしているという。ただ「1930円て何の料金か?」と突っ込みを入れる人もいるらしい。

ランチは1種類。今日はルーローファンと水餃子。ホットかアイスのウーロン茶がついて1,000円。お得感たっぷり。

「魯肉飯」と書くのか。調べると「台湾の定番おかず」とある。ネットでレシピを見ると材料に「五香粉(ウーシャンフェン)」という初めて耳にするものが載っている。

「五香粉」は中国などで使われるスパイスで、5種類程度が組み合わされているらしい。その組み合わせは色々あるようだ。

中国には1度しか行ったことはないが、料理の独特の香りが苦手で、滞在中はずっとお腹を下していた。「水を飲む場合はペットボトルのものを」と言われ順守していたので、油に馴染めなかったのだと思う。日ごろ日本で食べる中華料理は、日本人の味覚に合わせて改良されているのではないかと思う。

このルーローファンは本場のものと日本人向けに改良されたものの中間くらいで、両方の良いところが味わえる感じがした。水餃子も美味しい。

あらためて店内を見回し1930年代の上海に身を置いてみる。

コレクションが色々あるなぁ。

ウーロン茶はホットにする。暑い日には温かい飲み物を。

オールド上海1940

母の上海

上海といえば、母がポツポツと語っていたことを思い出した。最近は耳にすることがなくなったが、少しずつ子や孫に伝えていきたいと思っている。

「上海にいたのは何歳から何歳までですか?」「小学校1年生から5年生までの5年間です」…母は1932年生まれだから、1939年から1943年くらいになる。

「帰ってきたのはいつですか?」「昭和19年3月です。船は危ないので、北支、満州、朝鮮と陸を周り、釜山から船で長崎に渡りました」…魚雷で船が沈められ亡くなった友達がいると聞いた。

国民学校

通っていたという上海第八日本国民学校が設立されたのは1942年のようだから、最初は別の学校に通っていたのだろう。(「第一」から「第八」に転校したとのこと)

「30人学級で5クラスだったと思います」「毎朝守衛のナムシンさんに『おはよう』と挨拶をして校門に入りました」

「楽しかった思い出は何ですか?」「よく料理を食べに行きました。父が上海公園に連れていってくれれました」

戦時下の映画鑑賞

「映画を観ていたと何度か聞きましたが、どんな映画でしたか?」「覚えていません」と答えてから間をおいて「思い出しました。『誰がために鐘は鳴る』でした」と話した。映画館に時限爆弾が仕掛けられていることがあり、上映前に座席の下や周囲を確認するようアナウンスされたそうで、「今思うと、よくそんな状況で映画を観ていたものだと思う」と笑った。

国民学校同級会

終戦後、国民学校の同級会が開かれていて、まだ足腰がしっかりして一人で歩けた頃は出席していた。

出席した最後の頃、「サーモンのお母さんに会ったよ」と言っていて、サーモンの母とは誰のことか、ついに魚と人間の区別もつかなくなってしまったのかと慄然としたが、いくつか質問を重ねたところ、「サーモン」というのは「デーモン小暮」のことだとわかった。デーモン小暮の活躍をお母さまが誇らしげに語ったようで、いつか私もデーモンさんのような立派な人間になりたいと思った。

未来への希望

祖父が華中鉄道の役員をしていたため、母の家族の暮らし向きは良かったと聞いていたが、最初に家族の集合写真を見た時、背後の住居や着用している衣類からは、貧しさすら感じて少し残念に思ってしまった覚えがある。しかしそれは現在の尺度から見たが故の錯誤に違いない。よく見れば、物資が充足せず、敗戦間近の混乱状況にも拘わらず、家族一人ひとりの瞳は未来への希望に溢れている。

母たちは幸せな子ども時代をすごしたのだなと思った。

コメント

  1. 萩原繁之 より:

    ご母堂様、僕の亡父の一つ下、亡母の二つ下なのですね。オールド上海カフェの食事、おいしそうですね。

    僕のコメントはそんなに長続きしないかと思いますが、ご容赦ください。

    • skywalker86yt より:

      私達も同年代ですものね。
      オールド上海カフェ、美味しいのはもちろんのこと、隠れ家的な雰囲気がいいですよ。
      お仕事の合間に是非お出かけください。
      ブログはご覧いただけるだけで十分幸せです。
      ありがとうございます。

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