横田慎太郎を忘れない 9月30日

懐かしい時を求めて

阪神タイガースの横田慎太郎選手のことを知ったのは比較的最近のことで、タイガースファンに叱られて当然だと思っている。

「奇跡のバックホーム」を現地で見たわけでもないどころか、横田選手がスタメンで出場していた頃のことが思い出せないのである。

単に老化しただけであればまだマシだが、おそらくタイガースファンを止めようと努力していた頃ではないか。子どもの頃から応援していたが、タイガースファンでいることはストレスが多かった。

選手よりも背広を着ている球団の人に対する反発が、ストレスの多くを占めていた。

「月刊タイガース」の定期購読を中止し、タイガースパジャマやグッズを処分した。それでも毎日、どの選手が何本ヒット、ホームランを打ったのかは気になってつい新聞を見てしまう。

それが今年監督が代わると、独走して優勝してしまった。ずっと掛布の監督就任を待ち望んでいたが、今は岡田監督の凄さに日々感心している。「なぜそうしたか」という根拠、野球理論に目から鱗が落ちる思いがしている。

その優勝の胴上げに横田選手のユニフォームが舞った。

岩貞、岩崎、梅野といった同期生の思いや、様々なエピソードに何度も泣いた。

凄い人だったのだなと思う。

優勝を決めた試合中、白い蝶がマウンドとホームベースの間に舞い降りたという。それを見た梅野選手が「ヨコが一番いい場所で観ているんだな」と思ったという。白い蝶にはスピリチュアルなものがあり、似たような状況で私も今年見た。そういうことがあるから、小さな虫もむやみに殺傷することはできない。

横田選手の刺繡のワッペンを買った。

それは横田選手を忘れないためであり、私自身が彼に恥じない人生を送ろうとする決意である。過去を振り返ると恥ずかしいことばかりだし、もう残り時間も少なくなっているが、それでもこれからのことに重きを置いて生きていこうと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました