9月23日の東京新聞に「棺内のドライアイスでCO2中毒」という記事があった。この記事は9月21日に消費者庁が記者発表した資料をもとに取材して書かれている。
「一酸化炭素中毒」というのは耳にするが、「二酸化炭素中毒」という言葉を聞いたのは初めてだ。
消費者庁のホームページを見ると「ドライアイスを敷き詰めた棺桶内に顔を入れた状態で発見され、死亡が確認された」といった事例が掲載されている。
私の場合、ドライアイスは「おうちコープ」で冷凍食品を注文すると、発泡スチロールのクーラーボックスに入っている身近なものだが、皮膚に触れて火傷しないよう注意はしていたが、気化した二酸化炭素を吸引して死ぬことがあるとは驚きだった。
しかし消費者庁の資料と新聞記事をよく読めば、日頃見かける少ない量であれば、換気よければ問題なさそうで、棺桶に大量にドライアイスを入れた場合に、高濃度の二酸化炭素が棺内に滞留するということだった。
想定される危険なケースは、棺の小窓から参列者が顔を仏の顔を近づけた際に、棺に溜まった二酸化炭素を吸い込むことである。ただ、二酸化炭素は空気と比べて1.5倍重いため、通常は棺の底に留まり、換気よくしていれば高濃度の二酸化炭素を吸い込む危険性は少ないとのこと。
死亡数は2年で3人というから多いとは言えないが、親しい人が亡くなっていく年齢になっているため、若い頃とは違い、棺の小窓から顔を棺内に入れる可能性がある。
しかし消費者庁は消費者に対し、次のようなアドバイスを送っている。
- 棺の中に顔を入れないこと
- 室内の換気を十分に行うこと
- 線香番などで一人にならないこと
- 気分が悪くなったらすぐに棺から離れ、異常があれば直ちに119番通報を
- 不明なことがあれば葬儀業者に確認を
また、「ドライアイスの特性と二酸化炭素中毒」と言う項目では、「吸入する空気中の二酸化炭素濃度が高い場合、呼気への二酸化炭素の排出が阻害されることにより人体に中毒症状が現れ、生命に危険が及びます。二酸化炭素中毒は、酸素濃度が十分にあっても生じるとされており、高濃度の二酸化炭素はそれ自体の有害性が過去の事故等から知られています」と記しているが、
どうして「吸入する空気中の二酸化炭素濃度が高いと、呼気への二酸化炭素の排出が阻害される」のかが理解できない。今度、科学の専門家との飲み会があるから、その時に原理を教えてもらおうことにしよう。
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