- 球体のランプをつくってみようと思います。
- 今回は、ラジオのように中にたくさんのパーツを入れなくてもいいので、小ぶりの球にします。
球の型をつくる
- 見つけた原型はこれ。直径10㎝の発砲スチール。普通は石膏を使いますが、試してみましょう。
- これが成功すれば、石膏で原型をつくる手間が省けます。
原型を取り外すための剥離剤を塗っておく
- 最初にスチロールに塗る糊(剥離剤)をつくります。砥の粉と水を混ぜます。
- それに米糊を混ぜ、糊漆をつくります。
- こんな感じになります。
- スチロールを外す際に水に浸けますが、これらが溶けることによってスチロールとその上につくった型が外れます。
- う~ん…スチロールはツルツルして滑り落ちてしまうので、薄く塗ることができません。こんもりと盛ることになりました。
- 乾くと均一に塗れていないのがよくわかります。それでもやり始めてしまったので進めます。
下地をつくる
- 米糊と生漆、三辺地の粉を混ぜて「三辺地漆」をつくります。
- これとは別に砥粉と水を混ぜ、生漆を混ぜて「錆漆」をつくります。
- 「三辺地の粉」と「錆漆」を混ぜて「切子漆」をつくります。
- 塗るとこんな感じ。漆風呂に入れて乾燥させます。
- 乾燥すると、前よりちょっと滑らかになりました。
- サンドペーパーで研ぎます。
- これを2回行います。
和紙を貼る
- 米糊と漆を混ぜて糊漆をつくります。
- 糊漆を塗ります。
- 和紙を貼ります。
- これを2回行い、和紙を2枚重ねました。
- 漆風呂に入れて1日乾燥させます。
- サンドペーパーで研ぎます。
- 2枚重ねを5回繰り返し、計10枚の和紙を貼ります。
- 裾のはみ出したところを切り取ります。
麻布を貼る
- 今度は、麻布を糊漆で貼ります。要領は和紙の時と同じです。
- ただし麻布の場合は重なったところが大きく膨らみ、後で平らにするのに苦労するので、重ならないようにはさみでカットしながら貼っていきます。
- 裾のはみ出しを少な目にして、麻布を内側にたくし込み、ぴったりと貼りつけます。そうしないと円の輪郭が歪み、二つを接合した時に隙間ができてしまいます。
- 切子漆で目地を埋めます。和紙の時と同じです。
- 漆風呂に入れて乾燥させます。
- 目地が埋まり黒黒しています。
- サンドペーパーで研ぐのも和紙の時と同じです。
- 麻布は4枚重ねることにしたので、これを4回行います。1枚目と4枚目を細かい目の麻布にして、2枚目と3枚目の荒い麻布をサンドイッチしてやります。
- はみ出した麻布を切り取ります。
漆を塗る
- 生漆を塗ります。
- 漆風呂に入れて乾燥させると光沢が出ました。
- しかしデコボコしているので、ヤスリで研いで滑らかにします。
- 少し滑らかになったところで、磨いて仕上げる呂色漆を塗ります。
模様を描き 光の穴を開ける
- ペンで蝶の輪郭を描き、その周りにドリルで穴を開けましたした。
- 蝶の輪郭に沿って漆を塗り、膨らみをつくります。
色漆を塗る
- どの色にしましょう。
- まず青を塗ります。
- 漆風呂で乾燥させると色が落ち着きます。
- 白漆は乾燥するとこんな色になります。
- 乾燥させる速度が速いほど、色は沈みます。
- 蝶の渡りの帯を、色で変化をつけてみます。
- 呂色漆を塗るとさらに色が沈みます。
- 最後に黄色を塗ります。
研いで漆を塗る
- 耐水ペーパーで研くと、色漆のデコボコが模様となって現れます。
- 上ズリという国産漆で拭き漆を3回行います。
- 胴擦粉と菜種油を混ぜて研ぎます。細かな傷が修復されます。
- 拭き漆を3回行います。
- 光沢が出てきました。
- 呂色粉と菜種油を混ぜて研ぎます。
- 少し光沢が増しました。
ランプを埋め込む
- LED電球をはめ込む板をつくり、取り付けます。
- ボタン電池の交換ができるよう、取り外しができるようにしました。
帯を巻く
- 北半球を南半球のつなぎ目に、帯を巻きます。
- 帯は和紙を重ね漆を塗ったものです。
蒔絵を描く
- 帯に型抜きした蝶のシールを貼ります。
- 朱色の漆を塗り、粉を筒を使って蒔きます。
- 金と銀が交互になるようにしました。
できあがり
- LED電球を点灯させ、手のひらに乗せました。
- ワイヤーで天井から吊るしました。
- これが2つ目の惑星となりました。
- 左は音の惑星ラジオで右が今回の光の惑星ランプ。とすると、次は香りの惑星でしょうか。
- ソファで横になり2つの惑星を眺めます。
- そのうちに自転、公転するのではないかと楽しみにしているところです。
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