週2回の週末気分

1年間休んで就職した。

週に3日の勤務がちょうどいい。もう少し働く選択肢もあったが、最低賃金を少し上回るくらいでは、仕事にウエイトを置くことに魅力を感じなかった。

電車はガラガラで、静岡駅到着時点でも空席がある日が多い。帰りは座らずに、体幹を鍛えながら読書する。

初出勤の日の帰り、電車が止まってしまった。線路内に自動車が侵入し、レッカー車で運び出しているようだった。16時くらいから19時40分まで時間を要したようで、私が静岡駅のホームに着いたのは17時15分頃。

さてどうして時間を潰したものか…居酒屋に行くことを考えたが、翌日の仕事のことを考えるとためらった。困ったなと思った瞬間、「Kさん？」と、女性が顔を覗き込んで声をかけてくれた。

通っている床屋の娘さんだった。その床屋は高校生の頃から通っていたが、なかなか思うように予約することができないようになり5年程前に離れ、今年になり戻った店だった。

「お母さんが車で迎えに来てくれます。乗っていきませんか？」

もちろんお願いした。なんてついているのだろう。

駅は人であふれ、人混みに懐かしい知人を見かけた。声をかけようと思ったが、同乗を求められたら迷惑をかけてしまうので諦めた。

駅のターミナルには車が溢れていたが、「お互い様」という雰囲気で、クラクションを鳴らすドライバーは見かけなかった。静岡の人の良さが表れているのかなと思った。

印象深い初日になったが、その後も電車は「体調不良の乗客の対応」などで遅れている。

勤務は月曜、火曜、金曜で、火曜日の終業時は連休前の週末気分になる。金曜日も同様である。

週3日勤務と4日では、仕事と余暇のバランスが大きく変わる。週の半ばに連休があると色々なことに時間を費やすことができる。正しい選択をしたと思っている。

働く時間が少ない分、社会保険に加入できず収入もそれなりだが、既に家計のダウンサイジングをしており、少ない収入であっても家計に大助かりだ。

週に2回の週末気分は晩酌に表れる。ほっとして酒を口にしたくなる。ついついアルコール度数が高い酒を選んでしまうことが反省点だが、時間が経てばそういうこともなくなるだろう。

2日休むと「明日は仕事に行こうか」という気持ちになる。まだ仕事が身についておらず、早く一人前になりたいと思う気持ちがそうさせている。出勤日数が少ない分、効率的に仕事をしないとやり残しが発生してしまう。

明日の出勤にも少しだけ楽しみがある。