懐かしい時を求めた1年 ⑦新たな出会い

掛け軸

釣りの先生

仕事から解放されると時間は緩やかに流れ、思い出したのが、昔、釣りの約束をしたMさんだった。思い切り釣りを楽しみたい気持ちと飛蚊症進行の恐れ、趣味を増やす経済的不安がないまぜになった状態で「ドブ釣り」に入門した。

釣りの先生からの連絡を心待ちする 4月21日
本の行商昔は本の行商をする人が何人も私の職場を尋ねて来た。父がそういう買い方をしていたので、私もそうするものだと思い、太宰治全集、宮沢賢治全集、日本の民話や昔話の全集、漫画で読む古典全集など、訪ねてきてくれれば何か買うようにしてい...
釣りの先生の指導日が近づく 5月14日
興津川の釣りの解禁迫る釣りの先生から連絡が入る。「興津川の釣りの解禁は5月20日だが、雨やらで濁り状態は良くない。釣り仲間からの情報だが、自分の目で確認してまた連絡する。解禁日あたりが一番釣果よく、日を追うごとに釣れなくなる」との...
鮎のドブ釣り入門 5月24日
今日は釣りの先生の講義を受ける日。手帳に書き込む予定が少なくなると手帳を見る習慣が無くなるが、なに少しくらいの予定なら忘れることはないだろうと思っていると、数日経ってから忘れていたことに気がついたりする。なので今日の約束も忘れてし...

いよいよ実践間近というところで先生宅に不幸があり、替わって先生の釣り仲間に連れて行ってもらえることになった。しかし、その直前に車が故障し、結局釣りには行けずにシーズンが終了してしまった。

鮎 ドブ釣り 7月12日
釣りの先生の家庭に不幸があり、この夏、鮎のドブ釣りを体験する機会はなくなったと思っていた。なので借りた3冊の本も、必要なところだけざっと目を通し、仕掛けなどの細かいことは来年までに覚えればよいとのんびりしていた。そこに電話が入り「...
三車線道路の真ん中で車が動かなくなる 7月17日
鮎のドブ釣りの準備明日はいよいよ鮎のドブ釣り入門なので朝から張り切っていた。昔使った道具の中に使えるものがあればと倉庫に入り、ウエストポーチや偏光グラス、首筋を遮光する帽子などを探し出した。クーラーボックス、ウエア、釣りベストなど...

その後私の体調不良が長引いたり母が入院したりして、Mさんとの再会は11月になってしまった。

喫茶店はしご 11月21日
漆塗りをして休憩していたら、携帯電話が鳴った。釣りのM先生からだった。「お茶を飲みながらお話ししましょう」。いつも通りの内容だった。喫茶店「葦」車で先生を迎えに行き、藤枝東高校近くの喫茶店「葦」に入った。2回目だっ...

音信が途絶えて時間が経つと、ふと心配になり連絡する。いつも全くの杞憂で、私なんかよりもずっと長く生きそうで安心した。

喫茶店での話
釣りのM先生と喫茶店で話をした。3月末で閉店してしまう店があると聞き、行きたくなった。カフェ・ド・モエ広い駐車場も数台空きがある程度で店内も賑わっているが、確かに「お知らせ」に「閉店」とある。ご飯も...

ガールフレンド

友達からガールフレンドを紹介された。亡きご主人の骨董を整理していて、引き取れるものがあればそうしてあげてほしいというようなことを言われた。

90歳を超えてもまことエネルギッシュな人で、若い頃の躍動する姿が容易に想像できる。

ガールフレンド 9月29日
年上のガールフレンドができたことを、妻に正直に打ち明けた。友だちの紹介である。妻が心配しないよう紹介し、承認を得た。昭和4年生まれだから、母よりも3歳年上だ。最初は浮世絵を見せてもらった。持ち物を減らしていきたいと...
ビール1本160円の食堂 12月6日
友達が若い頃経営していた食堂の写真を見せてもらった。「60年くらい前かな?」と言っていたから私が生まれた1960年頃だろうか。「ビール1本 通し付 大160円」とある。ビールの価格は、その頃125円くらい。「アサヒビール ...

無償の心を持つ人に随分と甘えてしまっているが、最後はこうありたいと思う。

招くねこ 12月10日
仕事をしていた頃の昼食は、スーパーで弁当を買ったり外食したりしてお金がかかっていたが、毎日家にいるとあり合わせのもので済ますようになり、収入はなくなったものの支出は減っている。友達からのいただきものだけでご飯を食べることもできる。...

浮世絵

彼女から譲ってもらったのは、浮世絵が最初だった。お金を払おうとすると嫌がり、「気持ちだけ置いていってくれればいい」と言う。高額は出せないのでその通りにするが、何か役に立つことをしようと庭の草刈りをすると「お礼」と言って浮世絵をくれる。

浮世絵を観る 9月11日
友達から「浮世絵に興味があるか?」と聞かれ、ないこともないのでみせてもらうことにした。浮世絵を持っているのは友達の知人で90代のご婦人だった。ご主人が収集したものを、ご主人が亡くなった後多くを処分し、残っているものをみせてもらった。...
家を美術館に 9月15日
浮世絵を買った。たくさんある中から気に入った絵を選んだ。先日選んだもの以外に、これらが面白いと思い、計7枚購入。女の人がタコと闘っている。調べると歌川国芳(1798-1861)の「源氏雲浮世画合 玉葛 大蛸から玉を奪う海士」とい...

浮世絵には昔から興味があり、本を買ってはパラパラと眺めていた。しかし本物を間近に見ることができるのは貴重である。

歌川広景 江戸名所道化盡 12月8日
友達の家に遊びに行った。その時友達が「夢を見てね。浮世絵を人に差し上げる夢だった」と、私が前から欲しがっていた浮世絵を譲ってくれた。歌川広景の「江戸名所道化儘(尽)(えどめいしょどうけづくし)27」である。鳥が空から紙のよ...

疑問が生じればまた本を買ったりして調べる。それが楽しかった。

小林清親「五代将軍徳川綱吉公・おさ目・柳澤弥太郎(〔今古誠画〕浮世絵類考之内」)12月25日
小林清親は、“光線画”という技法を創出し、江戸から明治に変わる東京の風景を描いた浮世絵師だから、この浮世絵に記された小林清親らしきサインを見て、ほんとうに清親なのだろうか疑問に思った。本棚の「別冊太陽 小林清親」平凡社,2...

骨董

漆を塗っていると言ったら漆器を譲ってくれた。年月を経て残るものの技術の高さ、美しさは勉強になる。

会津塗 10月5日
漆器を譲っていただいた。会津塗だという。「会津塗」というのは知らなかった。あちこち旅をし、会津地方も何回か訪れたが出逢わなかった。KOUGEI JAPANのホームページに「会津塗の産業としての歴史は、1590年(天...

ひらがな習字を習いたいと思っていたのが通じたのだろうか、譲ってくれた。

望月麗石 雨畑真石 10月17日
硯石を入手した。縦18.5㎝、横(最大)15㎝、高さ4.5㎝、重さ2㎏。まさに石から作り上げた感じが残されていて美しい。横から見るとそのことがよくわかる。裏に何か文字が刻まれている。最初の字は「西」...

水石は柘植義春の漫画の世界でしか知らなかったが、これも何かの縁だろうと少し勉強した。

水石入門 10月25日
友達から電話があり「水石に興味があるか?あるなら差し上げる」と言うので、小学生のように好奇心旺盛な私は「はい興味あります」と即答し、友達の家を訪れた。すぐに譲っていただけると思ったが「今日は石を家から持ち出すには日が悪い。後日改めて連絡す...

「捨てる」と言ったのでもらっておいた。

和傘 10月27日
友達が和傘を捨てると言うので「もったいないなぁ」と言ってもらってきた。数か所破れており、全体的に脆くなっている感じがするが、鑑賞には十分。傘の骨には竹が使われているようだ。骨の塗料は漆ではないだろうか。傘を...

掛け軸

掛け軸に興味は無かったが、見せてもらうとなかなか面白いと思って、何本か譲ってもらった。

河童の掛け軸 12月26日
河童の掛け軸を入手した。河童は伝説の生き物だから、描かれた河童は無数にあり、ネットで画像検索すると面白い。この河童はカエルのような模様でもあり、何よりも動きが感じられて気に入った。床の間はないがドアに掛けて楽しんでいる。...

好きな絵かどうかで選び譲ってもらう。

田崎草雲 深山群鳥図 1月14日
友達に掛け軸を見せていただき、鳥が沢山描かれ素敵だと思い譲ってもらった。その後で箱を見ると「田崎草雲筆 深山群鳥図」とある。和紙の封筒が入っていた。美しい字。名のある人のようで、足利市に美術...
冨田渓仙「鹿ノ図」
友達の家で掛け軸を見せてもらい、鳥の絵が欲しかったけれど、鷹の絵にはときめかず、その次に見た鹿の絵を譲ってもらった。鹿の目って、こんなにアニメっぽかったかな。まるでウイリアム・スタイグの絵本に出てくる動物のようで気に入ってしまった...

新たな出逢いは知識の幅を大きく広げてくれた。感謝。

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